※不動産用語集※

あ行

一般媒介契約

媒介契約の一形式で、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することが許されるもの。一般媒介契約が締結されても、依頼者は他の宅建業者ヘの依頼が制限されないので、有利な取引の機会がそれだけ広くなるが、宅建業者の側からすれば成功報酬を得られる保証がないため、積極的な媒介行為を行わない場合もある。一般媒介契約には、他に依頼した業者名を明らかにする明示型とこれを明らかにしない非明示型とがある。なお、一般媒介契約を締結するときは、国土交通大臣の定める標準一般媒介契約書によることが望ましいとされている。
・専属選任媒介契約

・専任媒介契約

・一般媒介契約

移転登記

ある権利を有した人から他の人へ、その権利が移転したことによってなされる登記をいう。記入登記のひとつである。記入登記とは登記をその内容によって分類した場合のひとつで、新しい登記事項が生じた場合これを登記簿に記入することを目的としてなすものをいい、ほかに表示登記、保存登記、設定登記及び処分制限の登記がこれに属する。移転登記は、附従性を持つ地役権を除き、登記できるすべての権利についてなされる。なお、所有権の移転登記は主登記でなされ、所有権以外の権利の移転登記は附記登記でなされる。

違約金

契約に定めた事項に違反した者が相手方に対して支払う金銭をいう。違約罰のひとつである。一般に、契約に違反(債務不履行)した者は、法律に基づき、その違反によって相手方が被った損害を賠償しなけれぱならない(民法415条)が、違約金は、当事者が契約を締結する際、「この契約に違反した者は相手方に対して金100万円の違約金を支払う」というように、金額まで決めておくことに特徴がある。違約金の性質は契約によって定まるが、民法は賠償額の予定と推定している(同法420条3項)。賠償額が予定されると、違反者は損害が発生していないとか、実際の損害は予定額より少ないなどと争うことができないことになる。

請負契約

請負人がある一定の仕事を完成させ、注文者がこれに報酬を支払う契約をいう(民法632条)。一般的には建物の建築とか土木工事など有形的な仕事についで締結される。注文者は完成した目的物の引渡しを受けるのと同時に報酬を払えぱよい(同法633条)。これに暇癌があれぱ修補や損害賠償の請求ができる(同法634条)。また、注文者は仕事が完成するまでならいつでも請負人の損害を賠償して契約を解除することができる(同法64l条)。 なお、土木建築等の業者との請負契約についでは、紛争予防のため必ず法定の内容の書面(通常は契約書)を作成交付しなけれぽならず(建設業法19条)工事について紛争を生じたときは、建設工事紛争審査会でもその解決を図る途が開かれている(同法25条以下)。

売り建て住宅

ディべロッバーが開発した宅地を売り、取引の際、その土地への住宅建築を購入者の選択、意向に沿って受注して建てる住宅のこと(建売住宅は企業側が自社の計画で建てた住宅を売る)。
言葉のうえでは建売住宅のバリエーションのようにも思われるが、実質は個別受注建設に近い。建物を造っての販売よりも、リスクを少なくする利点などがある。

売渡承諾書

所有者又は売却予定者が、第三者を名宛人として発行する売却の可能性を表明する文書のこと。発行人の売却意思を推定するに足る価格・時期・物件

エクステリア

住宅の外まわりのこと。一般的には、門・塀・物置・カーポート・サービスヤード等の総称である。インテリアに対する用語として屋外住宅設備メーカー等が創造したといわれる。

SRC造

SteelReinforcedConcrete造の略で、鉄骨鉄筋コンクリート造のこと。骨組を鉄骨でつくり、その周囲に鉄筋コンクリートをかぶせてその主要な構造部分をつくる建築方法。強度に優れ、高層住宅、高層建築物の建設に多く用いられる。

オーナーチェンジ

投資用にマンションや戸建て住宅を購入し、その物件を賃貸している所有者(オーナー)が、賃借人の入った状態のまま他へ売却すること。入居者側からみると家主が代わることになる。ワンルームマンションにこの種の取引が多く、購入者は新たに入居者を探す必要がないというメリットがある。

か行

買換え特約

住宅を買い換える場合、手持ち物件の売却前に新規物件の購入契約を締結すると、手持ち物件を売却できないと非常に困ることになる。そこで、そのような事態に備えるためには、購入契約に「○月○日までに○○万円以上で手持ち物件を売却できなかったときは、本契約を白紙解除できる」旨の特約をつける必要がある。この特約を買換え特約という。

買付証明書

購入希望者が所有者、又は所有者となる予定の第三者を名宛人として発行する購入の可能性を表明する文書である。発行人の購入意思を推定するに足る価格・時期・物件の範囲等を表示し記名押印を行う。しかし、購入希望者の確定的意思表示ではないので、これにより購入の義務までを負うものではない。不動産業界でも、発行人は随時これを撤回・取消し・否認できるものとして取り扱っている。発行人は所有者及ぴ所有者となる予定のある名宛人に発行した買付証明書が、第三者に流通しても直接の責任を負わない。媒介業者はこれをもって発行人の購入意思の説明に使うことができる。

開発許可

開発行為をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事(政令指定都市、中核市、特例市にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。ただし、原則として、市街化区域においては1,000未満、区域区分が定められていない都市計画区域及び準都市計画区域においては3,000未満、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内においては1へクタール未満の開発行為についでは許可が不要とされている。また、市街化区域以外の区域内における農林漁業のための建築物の用に供する目的で行う開発行為のほか、社会福祉施設や医療施設等の公益的建築物の用に供する目的で行う開発行為、国や都道府県等の行う開発行為、都市計画事業の施行として行う開発行為等も許可が不要とされている。 許可が必要とされた開発行為には、宅地に一定の水準を保たせようとするため道路や公園等の公共空地の確保、給排水施設の配置、防災措置等に関する技術基準(都計法33条)が適用される。ただし、市街化調整区域における開発行為に限り、技術基準に加え、市街化調整区域において許可を受けることができる開発行為を限定する立地基準が適用され、他の区域よりも厳しい規制を受けることとなる。

買戻しの特約

不動産‐の売買契約と同時に、一定期間経過後売主が代金と契約の費用を返還して不動産を取り戻すことができることを内容とする契約解除の特約をいう(民法579条)。特別の合意のない限り、買戻期間中の不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなされる(同法579条ただし書)。買戻しの期間は10年を超えることができず、10年を超える期間を定めたときは、その期間は10年とされ、その期間の更新は認められない。また、期間の定めをしなかったときはその期間は5年とされる(同法580条)。買戻しの特約の登記は、買主の権利取得の登記に附記して登記することとされており(不動産登記法59条の2)、この登記をしておけば第三者にも対抗できる(民法581条)。買戻しの特約は担保の一方法であるが、公的事業主が分譲した住宅・宅地等においては、転売防止などを担保するために利用される。再売買の予約は登記をせず、動産もその対象とされ、また再売買代金にも制限がない点で買戻しと異なる。

解約

当事者の一方の意思表示により、賃貸借、雇用、委任、組合などの継続的契約関係を消滅させることをいう。契約の解除(民法5婁5条1項等)の場合、その効力が過去に遡るのに対して、解約は将来に向かってのみ消滅の効力が生ずる(民法620条等)とされている。しかし、実務上は解約と解除が混同して使用されており、その区別は明確ではない。

解除条件

将来不確定な事実が発生することによって、契約等法律行為の効果が消滅する場合の、不確定な事実をいう(民法127条2項)。反対に、契約等の効果の発生が不確定な事実にかかっている場合を停止条件という(同法127条1項)。売買契約を締結し、転勤になったらこの契約を失効させるという条項を入れるような場合、解除条件付売買契約という。条件を付けるかどうかは当事者の自由であるが、婚姻、養子縁組、相続の承認、放棄、手形の裏書(手形法12条1項参照)などについては、不安定な法律関係を続けることは相当でないから条件は付けられない。相殺も、相手方を不安定にするから同様である(民法506条参照)。

解約手付

いったん締結した売買契約を、後に解除しうることとして授受される手付をいう。一般にその金額についての制限などはないが、宅建業者が宅地建物の売主の場合には、20%を超えることはできない(宅建業法39条)。解約手付が授受されると、買主からはそれを放棄すれば、また売主からはその倍額を返しさえすれば、契約を解除することができる(民法557条1項)。ただし、相手が契約で定められたことを始めるなど履行に着手すると、手付解除は認められない。解除の方法などは一般の場合と同様であるが、手付額、又は倍額のほかに損害賠償を請求することはできない(同法557条2項)。手付には、このほか証約手付、違約手付がある。

価格査定

宅建業者が売却の媒介依頼を受けた不動産に関し、専門家の立場から依頼者へ助言する合理的希望価格の形成のための成約見込価格を調査・算出することをいう。業者は売買すべき価額について依頼者に意見を述べるときは必ず一定の標準的手法に従い、選択した取引事例を根拠として明示し、依頼を受けた不動産と比較検討して、客観性ある実際的な成約見込価格によらなければならない。この手法が価格査定マニュアルである。これに要する費用は媒介の成功報酬に含まれる(宅建業法34条の2第2項)。

瑕疵担保責任

売買の目的物に隠れた瑕庇があったとき、売主が買主に対して負う責任をいう(民法570条)。「売主の担保責任の一形態である。瑕疵とは、建物にシロアリがついでいたとか、土地が都市計画街路に指定されていたことなどをいう。買主は、善意無過失である限り、契約時にわからなかった瑕疵のために損害を受けたときは、売主に対して賠償請求をすることができる。また瑕疵のため契約の目的を遂げることができない場合には、契約を解除することができる(同法570条において準用する566条1項)。ただしこれらは、買主が瑕疵を知ったときから1年内にしなけれぱならない(同法570条、570条において準用する566条3項)。また強制競売で物を買った(競落した)場合には、買主にこれらの権利は与えられない(同法570条ただし書)。

瑕疵担保特約についての特約

住宅品質確保法に定められた民法の瑕疵担保責任規定の特例規定。新築住宅の請負契約の請負人は注文者に引き渡した時から10年間、新築住宅の売買契約の売主は買主に引き渡した時(請負契約に基づき請負人から売主に引渡された場合はその引渡しの時)から10年間、住宅のうち構造体カ上主要な部分又は雨水の混入を防止する部分として政令で定めるものについでの瑕疵についての担保責任を負うとする特例(住宅品質確保法87条1項、同法88条1項)であり、この特例に反する特約で注文者に不利なものは無効とされる。 請負契約の場合、その注文者には、修補講求、修補講求に代わる損害賠償請求、修補講求とともにする損害賠償請求が認められ、売買契約の場合、修補講求、修補講求に代わる損害賠償請求、修補講求とともにする損害賠償請求、契約の解除(契約の目的を達成することができない場合)が認められる。

瑕疵担保特約についての特約制限

宅建業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約においては、瑕疵担保責任についでこれを負う期間(民法570条において準用する同法566条3項に規定する期間)をその目的物の引渡しの日から2年以上とする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならないとされている。買主に不利な特約とは、瑕疵担保責任を負わないとするもの、これを負う期間を買主が知ったときより1年末満の期間とすることのほか、契約解除も損害賠償も認めず補修のみを行うとするもの、瑕疵の箇所によっては責任を負わないとするもの等があげられる。宅建業法は、このような買主に不利な特約を制限するとともに、これに反した特約は無効としている(宅建業法40条)。

壁式工法

主として、低中居の共同住宅などの建築に用いられる構造形式のひとつ。 骨組構造のように柱や梁を使わないので、建物の内外に余分な突出部分がなく、空間を効率よく利用できる。また、力学的な安全性を確保するため、壁量、壁厚などに制限が設けられ、非常に堅固な建物となる。骨組構造に比較して経済的であるとして普及しているが、柱、梁がないため階数に限度があるとされ、高層建築には不向きといわれている。

仮差押え

金銭債権を保全するため、債務者の財産を確保し、将来の強制執行を確実なものにする目的で仮に差し押さえることをいう。これら債権の弁済を受けるためには、最終的には判決を得て強制執行に着手するのであるが、それまでの間に債務者が財産の隠匿、逃亡等をしないように、仮差押えをして財産等の処分禁止をしておく。債権者は、自己の債権と保全の必要性を疎明し、保証金を積んで裁判所の仮差押命令をもらい(民事保全法20条以下)、債務者の不動産、動産、債権等の仮差押執行をする(同法47条以下)。債務者は仮差押えされた財産を処分しても仮差押債権者には対抗することができない。

仮処分

物の引渡しを求めうる権利などについての強制執行を保全するため、その目的物についで保管人を置いたり、相手方に一定の行為を命じたりする仮の処分をいう。土地や家屋の引渡しの強制執行は、その物の占有者を相手方とする判決等により、その占有を排除して行われるが、判決等を得て執行するまでの間に、占有者が代わったり現状を変更されたりすると、その判決で執行することができなくなったり、著しく困難となったりするので、仮処分が利用される。債権者は自己の権利と保全の必要性を疎明し、保証金を積んで裁判所の仮処分命令をもらい(民事保全法23条以下)、仮処分の執行をしておく(同法52条以下)。命令に反した場合、仮処分債権者に対抗することができない。

仮登記

終局登記(本登記)をなしうるだけの実体法上又は手続法上の要件が完備していない場合に、将来の登記の順位を保全するため、あらかじめなす登記をいう(不動産登記法2条)。後日要件が完備して本登記がなされれば、仮登記の順位が当該本登記の順位になるという順位保全効力を有する(同法7条2項)が、仮登記のままでは対抗力はない。このような仮登記の一時的・仮定的性格にかんがみ、実務上仮登記申請の際には登記済証、利害関係人の承諾書の添付は必要とされず、さらに法律上仮登記権利者が単独で、仮登記義務者の承諾書を添付してする方法(同法32条)や仮登記仮処分命令によってする方法(同条33条)等、仮登言己申請の特則が設けられている。

管理会社

ビル、マンションの維持運営は本来その所有者が行うことであるが、その内容は各種設備機器の保守点検や防火、衛生、警備等の資格技能を必要とする業務(作業管理)、管理費、賃料、付加使用料の請求取立てや諸費用査定支払等の業務(収支管理)、テナント募集選定や賃料共益費改定等の業務(契約管理)等、多分野にわたっている。 そのため、これらの業務の全部又は一部の業務(主として作業管理)を専門業者に委託することが多い。この専門業者を一般に管理会社と呼ぶ。なお、マンションの管理会社については、マンション管理適正化法で、マンション管理業者の登録制度を定めている。
 

管理規約

区分所有建物の管理及びその使用についての区分所有者相互間で取り決めたルールである。区分所有法は、「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。」(区分所有法30条)とし、この制定及び改廃は、区分所有者及び議決権(専有部分の割合による)のそれぞれ4分の3以上の多数による集会の決議による。なお、この規約は、区分所有者全員にその効力が及ぶだけでなく、譲受人(特定承継人)にも及ぶ。

管理組合

区分所有建物の建物全体の維持管理と、区分所有者間の権利義務を調整するため、区分所有者で構成される団体が管理組合である。区分所有法は、Γ区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」(区分所有法3条)と規定し、区分所有者は当然にこの団体の構成員となるとしている。

管理形態

マンション等の区分所有建物の維持管理についでは、通常、管理組合と管理会社との間に管理委託契約が結ばれ、その契約の内容に応じて管理形態が定められる。主な管理形態としては、次のようなものがある。(1)巡回管理:管理人を定期的(例えぱ週3回ゴミを出す日等)に巡回させて管理業務を行う形態、(2)住込管理:管理人が住み込打形態、(3)日勤管理:管理人を通勤させて業務を行う形態、(4)無人管理:管理人を置かずに、例えば、清掃をパートタイマーを雇用して処理する等の形態で、いわば自力管理である。管理形態により管理の内容、サービス、費用が異なるので、それぞれのマンションの規模、立地条件、設備等により適当なものを選定すべきである。

管理者

管理者とは、管理組合の業務執行機関である。管理組合が、法人格を取得して管理組合法人とならない限り、権利能力なき社団であるため、管理組合名で法律行為は行えない。したがって、法律行為を行うため、対外的には区分所有者を代理し、対内的には区分所有者と委任関係に立つ管理者が必要となる。区分所有法でも、管理者は、共用部分等を保存し、集会の決議を実行し規約で定めた行為をする権利義務、区分所有者を代理する権限を明らかにしている。管理者の選任及び解任についでは、規約に別段の定めがない限り集会の決議による。

危険負担

建物の売買契約などの双務契約において、相互の債務が履行される前に一方の債務がその債務者の責めに帰することのできない事由により履行不能となって消滅した場合に、他方の債務が消滅するかの問題。例えぱ、契約後隣家の失火の類焼などによって建物が焼け、売主の引渡義務が履行できないようなとき、損害(危険)を当事者のいずれが負担するかの問題をいう。建物の引渡義務を負う売主(債務者)が代金を請求し得ないとするのが債務者主義、買主(債権者)は代金を支払わねぱならぬとするのが債権者主義という。民法の規定によれぱ、不動産のような特定物(不特定物については特定を生じた後)に関する物権の設定又は所有権の移転をもって双務(売買等)契約の目的としている場合は、債権者主義を採っているが(民法534条)、その他の場合は債務者主義を採っている(同法536条)。なお、実際の不動産取引の場合は、民法の規定とは逆に、特約をもって債務者主義を採っているのが一般である。

既存宅地の制度

市街化調整区域であっても市街化区域と一体的な日常生活圏を構成する一定規模以上の集落内にあり、市街化調整区域とされた時点で既に宅地になっていた土地として開発許可権者の確認(既存宅地の確認)を受けたものにおいて行う建築物の建築等について、都計法第43条に基づく許可を不要とするもの。しかし、当該制度は平成12年の都計法の改正(平成13年5月18日施行)により廃止され既存宅地において行う建築行為も都計法第43条の許可を要することとなったが、施行日前に既存宅地の確認を受けた土地又は施行の際に現に確認の申請がなされている土地においては、5年間に限り従来通り許可不要で建築することが可能である。

既存道路

建基法42条の道路のうち、同条1項3号による道路と2項による道路のことをいう。前者の道路とは、同法第3章の規定が適用されるに至った際、現に存在する道、すなわち建基法の施行時(昭和25年11月23日)に都市計画区域内に現に存在した道(後に都市計画区域内に編入された場合は、その際、現に存在する道)で幅員4m以上のものをいう。また、後者の道路とは、前者の道路と同様、同法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものをいう。いずれも公道、私道を問わない。
 

既存不適格建物

建基法の規定の施行又は改正の際すでに建っている建築物又は工事中の建築物で、当該規定に全面的に又は一部が適合していないものをいう。既存不適格建築物についでは、その適合していない規定に限り適用が除外され(同法3条2項)、そのままその存在を認められるが、一定の範囲を超える増改築等を行う場合には、同法の規定に適合するように既存の部分の手直しを行わなければならない(同法3条3項、同法86条の‐7)。

客付け

売り物件の買い顧客を見付けること。買い顧客を見付ける業者が客付け業者である。一般に業者間で使われることが多い。売主から直接依頼を受けた(元付け)業者自ら客付けをする場合と元付け業者からの物件情報に基づき、他の業者が客付けをする場合とがある。

境界

日常生活では、「境界」という用語は広く使用されているが、法的にはΓ異筆の土地の間の境界」(最判昭31.12.28)、すなわち公法上の区分線をいう。土地を所有権の目的物として登記するために、土地を人為的に区分して独立させる必要がある。不動産登記法は、土地の表示の登記において、土地を特定するため、一筆ごとに他の土地の地番と重複しない番号をもって地番を付すこととしている。この地番と地番の境が境界である。したがって同一地番の土地の中での境界は存在しない。また、相隣者間の合意のみによって、一筆の土地の境界自体は変動せず、境界を確定することはできない(最判昭42.12.26)。

供託

法令により金銭・有価証券又はその他の物品を供託所(法務局、地方法務局、その支局又は法務大臣の指定する法務局等の出張所)に寄託することをいう。供託原因によって分類すると次のとおり。(1)債務消滅のためにする供託(弁済供託)。一般的には、債権者の受領拒否、受領不能及ぴ債務者の過失なしに債権者を確知できないときの供託(民法494条等)。(2)債権担保のためにする供託(担保供託)。相手方に生ずる損害を担保するための供託(宅建業法25条、旅行業法7条等)。(3)単に保管を依頼するだけの供託(保管供託)。他人のものを勝手に処分できない事情があるときの供託(民法367条質権設定の際の支払いに関する供託等)。(4)その他の供託(特殊供託)。公職選挙立候補者の供託(公職選挙法92条)等。供託の方法及び場所等についでは、供託法及ぴ宅建業法等それぞれの法律で定められている。

供託所等に関する説明

宅建業者に課せられた説明義務の一つで供託してある営業保証金の還付請求等をするときの便宜を図ろうとするものである。営業保証金を供託している宅建業者(宅地建物取引業保証協会の社員以外は供託を必要とする)にあっては営業保証金を供託した供託所及びその所在地を、宅地建物取引業保証協会の会員であれぱその社員であること、当該宅地建物取引業保証協会の名称、住所及び事務所の所在地、並びにその協会が弁済業務保証金の供託をした供託所及びその所在地を、それぞれ、その相手方等に対して、契約が成立するまでの間に説明しなけれぱならない(宅建業法35条の2)。この説明は、一般に重要事項説明と併せて行われる。

共同媒介

2以上の宅建業者が一件の不動産取引を媒介することを指し、計画的あるいは偶発的・協力的あるいは競合的を問わず、事実結果としての複数業者媒介をいう。転じて特定業者が本部企業になり、他業者がその本部の代理店あるいは特約店となるパートナーシップ契約を締結し、その取り扱う全取引、あるいは一部取引をこの方式とする広域ネットワークに発展した不動産流通システムがある。これは取引態様では共同媒介であり、物件情報交換機能では流通機構である。不動産フランチャイズは、本部企業がシステム運営を担当し、ロイヤリティーを収受するが、会員業者の媒介に関与しない点で共同媒介と異なる。

共有・準共有

複数の者が一つの物の所有権を有する場合を共有、所有権以外の財産権を有する場合を準共有(民法264条)という。数人共同で、物‐を買ったり相続したりすると共有を生じ、各人はこの物の持分を有することになる。持分は合意又は法律の規定(同法900条等)で決まるが、それが明らかでない場合は均等と推定される(同法250条)。共有者は持分に応じて共有物全部の使用ができる(同法249条)。共有物の保存行為は単独でできる(同法252条ただし書)が、管理行為は過半数で決し(同法252条)、その費用は持分に応じて負担する(同法253条)。共有物全部の処分は全員一致でなけれぱならないが、持分の処分は自由である。共有物の分割は協議により(同法256条)、協議が調わないときは裁判所に請求する(同法258条)。

共用部分

区分所有を目的とされた建物のうち、専有部分以外の建物部分、専有部分に属しない建物の附属物などをいう(区分所有法2条4項)。共用部分には、法定共用部分といわれる部分、a基礎及び壁・柱等、建基法2条にいう主要構造部など、b廊下、階段室、玄関、配電室等、構造上共用とされる部分と、規約共用部分といわれる管理人室、集会室、物置、倉庫等、管理組合の規約で定められるものとがある。これら共用部分は、全区分所有者の共有に属し(同法 条1項)、その持分は専有部分の床面積の割合による(同法14条)。各共有者は共用部分を使用することができ(同法13条)、専有部分が譲渡されると、共用部分の持分もそれに従って移転する.(同法15条)。
 

居室

居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室(建基法2条4号)。居室は、採光、換気、日照等について一定の条件を満たさなければならないとされている(建基法28条以下)。

居住用財産の買換え・交換特例

特定の居住用財産の買換え特例

居住用財産の譲渡損失の繰越控除

租税特別措置法による課税の特例で、平成15年12月31日までの譲渡で、個人が単年通算によっても控除しきれなかった居住用財産の譲渡損失の金額を有する場合に、買換え資産(一定の居住用財産)に係る住宅借入金等を有する等一定の要件の下で、その譲渡損失の金額についでその年の翌年以後3年内の各年分(合計所得金額が3,000万円以下である年分に限る)の総所得金額等からの繰越控除を認めるとするもの(租税特別措置法41条の5)。

居住用財産の譲渡の際の課税の特例

租税特別措置法による課税の特例で、個人が居住用財産を譲渡した場合の課税の特例措置。次のものがある。(1)自己の居住用財産を譲渡した場合、その譲渡益から3,000万円を控除した,金額が課税譲渡所得金額となり、長期渡であるか、短期譲渡であるかによって、それぞれの計算方法により税額を計算する(居住用財産の3,000万円特別控除、租税特別措置法35条)。(2)譲渡した年の1月1日で、家屋と土地との所有期間がともに10年を超えているものは、譲渡益から3,000万円の特別控除をした後の課税譲渡所得金額に対して、金額に応じて税率を軽減する(特別控除、軽減税率の特例、同法35条、同法31条の3)。(3)一定の条件の下で一居住用財産の買換え・交換を行った場合、買換え資産の価額が譲渡資産の価額を上回れぱ、譲渡所得の全体に対して課税の繰延べがきれる。ただし、特定の居住用財産の買換え・交換特例は平成15年12月31日までの譲渡にしか適用されない。(相続等により取得した居用財産の買換え・交換特例、同法36条の2、同法36条の5)(特定の居住用財産の買換え・交換特例、同法36条の6)。

切土・盛土

元の地盤の上に土を盛って宅地を造成した部分を「盛土」部分、元の地盤を削って宅地を造成した部分を「切土」部分という。傾斜地を造成した場合、1つの宅地で「盛土」と「切土」部分が混在する場合も多い。宅地造成等規制法では、宅地造成とは宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更をいい、土地の形質の変更とは、(1)切土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずるもの、(2)盛土をした土地の部分に高さが1mをこえるがけを生ずるもの、(3)切土と盛土を同時にする場合において盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生じ、かつ、当該切土及ぴ盛土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずることとなるもの(4)切土又は盛土をする土地の面積が500m2をこえるものをいうと規定されている(宅地造成等規制法施行令3条)。

近畿圏近郊整備法

首都圏近郊整備法と同様に、近畿圏の建設とその秩序ある発展に寄与するため、近郊整備区域内及び都市開発区域内における宅地の造成、その他これらの区域の整備及び開発に関し必要な事項を定め、近郊整備区域の計画的な市街地としての整備及び都市開発区域の工業都市、住居都市その他の都市としての開発に資することを目的としている。

近隣商業地域

近隣住宅地の住民のための店舗、事務所などの利便を増進する地域。

業界団体

宅建業者が加盟する業者団体のこと。不動産の表示に関する公正競争規約では、広告主の所属する業界団体を広告等に表示することが必要とされている。不動産業界において、ピル業、鑑定業などを除く一般的な業者の全国組織としては、不動産協会、不動産流通経営協会、日本住宅建設産業協会、全国住宅宅地協会連合会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会等がある。なお、平成14年には、不動産業界に共通する重要課題を解決するために、上記の各団体を含む関係13団体により「不動産団体連合会(不動産団体連絡会を改組)」が発足した。

区分所有権

一棟の建物に、構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、又は倉庫、その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権をいう(区分所有法l条、同法2条1項)。この各部分は専有部分と呼ぱれ、共用部分と区別される。専有部分についでは、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であるから共同の利益に反するような使用は許されない(同法6条)。共用部分に対しては専有部分の床面積の割合で持分を有し(同法l4条)、共同で使用する(同法}3条)。専有部分の処分は自由であるが、敷地利用権をこれと切り離すことはできず(同法22条)、共用部分の持分の処分もこれに従う(同法15条)。

区分所有建物の敷地利用権

区分所有建物の専有部分を所有するために建物の敷地を利用する権利をいう(区分所有法2条6項)。区分所有の形態には、縦割型、横割型、及び複合型があり、それによって利用権も異なることがある。.土地利用権としては、所有権が最も多いと思われるが、区分.所有者全員が敷地全部を所有する場合は、専有部分の面積に応じた持分による共有の関係を生ずる。地上権や賃借権の場合も、全員が一体として設定しているときには準共有となる。敷地利用権を有しない区分所有者に対しては、その専有部分の収去請求権者から、区分所有権の時価による売渡請求権がある(同法10条)。

クーリングオフ

宅建業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、宅建業者の事務所又はそれに準ずる場所以外の場所でなされた宅地建物の買受けの申込み又は売買契約についで、8日間以内の場合には無条件に申込みの撤回又は契約の解除ができる(宅建業法37条の2)。これをクーリング・オフという。ただし、次の場合には申込みの撤回等ができない。申込みの撤回等ができる旨等一定の事項を告げられた日から8日を経過したとき、宅地建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき。申込みの撤回等の意思表示は、書面により行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。この場合、宅建業者は速やかに手付その他の受領した金銭を返還しなければならない。

グルニエ

屋根裏部屋のこと。元来は穀物置場を意味していた。天井が傾斜していて外気の影響が大きいため居室には適していないが、屋根の一部に窓をつけると通風、採光がよくなり、居室としても利用できる。

景観地区

景観地区に関する都市計画の中では、建築物の形態・意匠の制限について必ず定めるとともに、建築物の高さの最高限度又は最低限度、壁面の位置の制限、建築物の敷地面積の最低限度のうち、必要なものを選択的に定めるものとしている。景観地区内で建築物の建築をしようとするものは、あらかじめ、都市計画に定められた建築物の形態・意匠の制限に適合するかどうか市町村長の認定を受けなければならない。

景観法

都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力のある地域社会の実現を図ることを目的としている。この目的を達成するため、景観行政団体(地方自治法の指定都市、中核市、その他の区域では都道府県又は一定の市町村)は、市街地又は集落を形成している地域等における、現にある良好な景観を保全する必要があると認められる土地の区域等、一定の条件に該当する土地の区域について、「景観計画」を定めることができるとされている。

競売

広義には、売主が多数に買受けの中出をさせ、最高価格の中出人と売買をすることをいう。不動産競売については、金銭債権の不動産に対する強制執行手続に基づくものと、担保権の実行手続に基づくものとがある。

契約の解除

民法上は、売買・贈与契約等の一時的契約と、賃貸借、雇用、委任等のように一定期間継続する契約の両方についで「契約の解除」という用語を用いているが、講学上は、売買契約等、いったん成立した契約を一方の意思表示によって、当初に遡って解消させることをいう。契約の解除は、契約締結の際、一定の事由があるとき解除を認めるという合意をしておいた場合(約定解除権)か、履行遅滞(民法541条)、履行不能(同法543条)等、法定の事由がある場合(法定解除権)でなければ、これをすることができない。解約手付、買戻しの特約のあるときも解除権の留保があったものとされる。契約解除は相手方に対する意思表示でなされるが、履行遅滞の場合にはその前に催告を要する(同法541条)。解除により各当事者は原状回復義務を負い(同法545条1項)、もし損害があれぱ賠償請求もできる(同法545条3項)。なお、賃貸借、雇用、委任等の継続的契約の解除についでは、将来に向かってのみその効力を生ずるものとされている(同法620条、同法条、同法条)。

契約の成立

対立当事者間に、売買、賃貸借等の法律効果を発生させるための意思表示が合致することをいう。一般的には、甲が土地を1,000万円で売りたいと乙に申し込み、乙がこれを承諾する場合のように、申込みと承諾の意思表示の合致による。申込みは必ずしも特定の人に対するものでなくてもよいが、甲が分譲住宅販売の新聞広告や折込みのチラシをしたような場合には申込みの誘引と考えられるから、契約はこれを読んだ乙からの申込みがあり、甲が承諾したとき成立することになる。契約は一般的には口約束でも成立するが、宅建業者(宅建業法34条の2、同法37条)、建設業者(建設業法19条)、貸金業者(賃金業の規制等に関する法律17条)は、契約の締結につき書面の作成交付を義務づけられている。

建築基準法

建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めることを目的に、昭和25年に制定された法律。建築物の構造耐カの安全確保に関する基準、防火、避難に関する基準、建ぺい率、容積率、高さ等の形態に関する基準等、建築物に関する最低限の基準を定めている。また、その基準の実効性を担保するため、着工前の建築確認、工事完了後の完了検査・違反建築物の是正措置等の行政手続についで定めている。

建築条件付分譲宅地

宅地の売主又はその代理業者と購入者の間で、宅地の売買契約締結後一定期間内に、当該宅地上に建築物の請負契約を締結させることを停止条件として宅地を分譲することをいう。土地を販売するに当たり、当該土地に建物を建築すること又は当該土地の売主著しくは売主が指定する建設業者との間において、当該土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件とするときは、当該取引の対象が土地である旨並びに当該条件の内容及び当該条件が成就しなかったときの措置の内容を明らかにして表示しない広告は、不当表示として取り扱われる。請負契約に関する協議を行わずに売主側の建物プランをそのまま押しつける方法や、建築確認後に建売住宅の売買契約に切り替える方法は、建物の請負契約が実体的に存在しない建築確認のない建売住宅の販売そのものとして宅建業法33条(広告開始時期の制限)、同法36条(契約締結等の時期の制限)等に違反するおそれがある。

建築不可

再建築又は建築が不可能な土地の売買に関する広告をする際に当該広告に記載を義務づけられている表示(不動産の表示に関する公正競争規約10条)。建基法42条に規定する道路に2m以上接していない土地及び同法43条2項の規定に基づき地方公共団体の条例により付加された敷地の形態に対する制限に適合しない土地についで広告する際は、「再建築不可」又はF建築不可」と表示しなけれぱならない。また、市街化調整区域内に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の大きさの文字で表示しなけれぱならない。ただし、開発許可を受けた土地等はこの限りではない。

建築物の耐震改修の促進に関する法律

阪神・淡路大震災において、特に昭和56年以前に建築された現行の耐震基準を満たさない建築物の被害が顕著だったことから、現行の耐震基準に適合しない建築物の耐震改修を推進することを目的として、平成8年4月1日に施行された法律。(1)多数の者が利用する一定規模以上の建基法上の既存不適格建築物(特定建築物)の所有者は耐震診断、耐震改修に努めること、(2)建築物の耐震改修計画についで、所管行政庁に認定申請ができ、認定を受けて住宅の耐震改修を行う者には住宅金融公庫の融資条件の緩和を行うこと等が規定されている。

建築物の高さの制限

都市計画区域及び準都市計画区域内において、建築物はその存する地域地区等に応じて、以下のような高さの制限を受ける。(1)第1種低居住居専用地域又は第2種低居住居専用地域内の建築物の絶対高さ制限(10メートル又は12メートル)(建基法55条)、(2)道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限(同法56条)、(3)日影による中高層の建築物の高さの制限(同法56条の2)、(4)高度地区内の建築物の高さの制限(都市計画で建築物の最高限度又は最低限度が定められる)(同法58条)。

建築物の延べ面積

建築物の各階の床面積の合計のこと。ただし、建基法52条1項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む)の用途に供する部分の床面積を算入しない(建基法施行令2条1項4号)。ここで、床面積とは、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう(同法施行令2条1項3号)。

建築面積

建築物が敷地を覆っている面積。建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。ただし、地階で地盤面上1m以下にある部分は、算定対象から除かれる。また、軒、庇、はね出し縁等がある場合で、外壁や柱の中心線からlm以上突き出ている場合には、その先端から1mまでの部分は、建築面積には算入されない(建基法施行令2条1項2号)。

建ぺい率

建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建築面積÷敷地面積)をいう。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域及び準都市計画区域内にぉいては用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が表のように制限されている(建基法53条)。次頁表参照。

権利証

権利に関する登記済証のことを略して権利証という。広義には登記所から登記済みの証明として交付を受けたすべての書面を登記済証というが、権利に関する登記済証とは、登記名義人がその権利を保存、設定、移転等により取得した登記の際、登記所から登記済みの証明として交付を受けた書面をいう(不動産登記法60条)。当該権利の登記名義人たることを表象する書面であり、その人が将来登記義務者として登記申請する場合には、その申請意思の担保として添付を要求される(同法35条1項3号)。もし登記済証が滅失又は紛失したときは保証書によることになる(同法44条)。なお、所有権の登記ある不動産についでの合筆、合併登記の登記済証は、その権利に関する登記済証として扱われる(同法60条1項)。

工業専用地域

積極的な工場の立地をすすめ、工業の利便を増進する地域。

工業地域

主に工業の利便を増進し、その振興を図るとともに、ほかの用途との混在を防ぐ地域。

公示価格

地価公示法に基づき、土地鑑定委員会が、毎年1回公示する、一定の基準日における標準地の価格のこと。都市計画区域内で標準的な土地(標準地)を選定し、当該標準地について2人以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を判定して公示するものである。例年1月1日現在の価格が3月下旬に公示される。公共事業の施行者が土地の取得価格を決める場合や国土法による土地取引規制における価格審査においてはこれを規準として行うべきこととされている。なお、地価公示価格の動向については、前年と継続する標準地の価格の上昇又は下落の率を意味する変動率が使用される。

公正証書

公証人が私人の法律行為その他私権に関する事実について作成する証書をいう(公証人法1条)。公正証書は、公証人の面前において嘱託人がした陳述又は金銭の授受などの行為を、公証人が聴取又は目撃して作成する(同法35条)。公正証書は、訴訟手続上強い証明力を有し(民事訴訟法228条2項)、債権譲渡などでは確定日付のある文書とされ(民法467条2項、民法施行法5条1項1号)、遺言についでは家庭裁判所での検認の手続が不要とされ(民法969条、同法1004条2項)、さらに金銭の支払についでの公正証書で債務者が執行を受諾する旨の文言のあるもの(執行証書)は、債務名義として債務者の財産を差し押さえたりすることにも利用される(民事執行法22条5号)。

公租公課の起算日

不動産の売買に際しては毎年継続的に賦課される固定資産税、都市計画税を売主、買主がどのように分担するかという問題が生じるが、その負担額を算出する基礎となる日がいわゆる公租公課の起算日である。固定資産税、都市計画税は毎年1月l日の登記名義人に対して課せられるのであるから、税の分担については1月l日を起算日とするのが正しいとする暦年方式説(1月1日説)と1月1日はあくまで税の賦課期日にすぎず、課税対象期間は4月l日から翌年3月末日までと解釈するのが正当であり、したがって4月1日を起算日とすべきだとする年度方式説(4月1日説)の2説がある。

公道

一般に国や地方公共団体等の公的主体が一般交通の用に供する道路をいう。道路法にいう高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道は公道の典型的なものである。なお、道路運送法上の自動車道(一般自動車道と専用自動車道)、土地改良法に基づく農業用道路、森林法に基づく林道(国有林林道と民有林林道)等は、その開設・維持・管理等についで公法的な保護・助成が受けられる半面、特殊な規制が加えられ、その所有者の自由な処分は許されていないので、これらは、私道というよりは公道としての性格の強い道路といえよう。

高度地区

用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。建築物の高さの最高限度を定める高度地区は、住居地域等で市街地の環境維持のため指定される。

高度利用地区

用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区である。

公募売買・実測売買

土地の売買に関する契約方式。公簿売買方式とは土地登記簿の表示面積により売買代金‐を確定し、以後その金額を変更しない方式、実測売買方式とは契約時に実際の面積を測量し、その面積に基づいた金額によって売買する方式である・暫定的に登記簿の面積により売買を行い、後に実測した面積との差を清算する方式もとられているが、実務上はこれも実測売買に含まれると解されている。一般に山林手農地めような広大な土地の売買はほとんど公簿声買によつて行われているが、地域によつては宅地売買において公簿方式をとる例も多い。しかし、個人の住宅地の場合は売主、買主の公平を期する観から実測売買とする契約が増えている。

国土利用計画法

国土利用計画の策定に関し、必要な事項を定め、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置その他の土地利用を調整するための措置を講ずることを目的に昭和49年に制定された法律。都道府県知事は、都市計画区域のうち、土地の投機的取引が集中して行われ、地価が急激に上昇する区域等を規制区域として指定すること(12条)、規制区域内の土地の権利の移転等をする契約を締結する場合は、都道府県知事の許可を受けなければならないこと(14条1項)、一定規模以上の土地(市街化区域2,000m2以上、その他の都市計画区域5,000m2以上、その他の地域10,000m2以上)の売買等の契約を締結した場合には、権利取得者は、その契約を締結した日から2週間以内に都道府県知事に届け出なけれぱならないこと(23条1項)、都道府県知事は、地価が一定の期間内に国土交通大臣が定める基準を超えて上昇する区域等を注視区域として、地価が急激に上昇し合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を監視区域として、指定することができること(27条の3、27条の6)、注視区域内及び監視区域内の土地の権利の移転等をする契約を締結する場合は、都道府県知事に届出をしなけれぱならないこと、届出をした者は、6週間を経過する日までの間は売買等の契約を締結してはならないこと(27条の4第1項、27条の4第3項、27条の7第1項で準用する場合)等を定めている。注視区域、監視区域の指定は都道府県で確認することができる。

国土利用計画法

国土利用計画の策定に関し必要な事項について定めるとともに、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置その他土地利用を調整するための措置を講ずることにより、総合的かつ計画的な国土の利用を図ることを目的としている。規制区域内の土地の所有権、地上権等の使用収益権又はこれらの権利の取得を目的とする権利(予約完結権・買戻権等)を有償で移転又は設定する契約(予約を含みます)を締結しようとする場合には、当事者は、原則問いして、都道府県知事の許可を受けなければならない。 一定規模以上の土地(一団の土地を含みます)について、土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者は、その契約を締結した日から2週間以内に、一定事項を当該土地が所在する市町村長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。

固定資産税

1月1日現在(賦課期日)に、固定資産課税台帳、又は補充課税台帳に登録された一定の土地、家屋、償却資産の所有者に課税される市(区)町村税(都税)である。課税標準は、3年にl度の基準年度ごとに改訂し、第2又は第3年度については比単価格で課税される。納税は普通徴収で4期分納である。

さ行

災害危険区域

建築基準法39条により、津波、高潮、出水等による災害の危険の著しい区域として、地方公共団体が条例で指定した区域のこと。
この区域内では建築の禁止など一定の建築制限を行なうことができ、各自治体によって具体的な規制は違う。

砂防法

豪雨等による山崩れ、河床の侵食等の現象に伴う不安定な土砂の発生及びその流出による土砂災害を防止することによって、望ましい環境の確保と河川の治水上、利水上の機能の保全を図ることを目的としている。指定地内においては、都道府県知事は、土地の掘削、工作物の新築等の一定の行為を禁止又は制限することができるとされている。

敷地

一般的には、建築物の占める土地を指す。広い意味では、街区・画地などを総称したり、道路・河川などの占める土地を指す場合もある。建築関係法規では、一つの建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう(建基法施行令1条1号)。一団の土地かどうかは登記簿上の筆致や地目、所有関係等とは直接関係なく、不連続でない意味とされており、道路や河川などをはさんでいる敷地や、間に無関係な敷地を隔てて存在するような敷地は、別敷地とみなされる。

敷地権

土地の登記簿に登記された所有権・地上権又は賃借権で、建物又は付属建物と分離して処分することができない敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するための建物の敷地を利用する権利)のこと(不動産登記法91条2項)。敷地権の登記がされると、以降は専有部分について行われた権利に関する登記は、敷地権についでも同一の登記原因による相当の登記としての効力を有する(同法110条の15)。敷地権の表示の登記は、一棟の建物の表題部の「敷地権の目的たる土地の表示」欄に所在・地目・地籍等、専有部分の表題部の「敷地権の表示」欄に敷地権の種類・敷地権の割合等が、敷地権の目的たる土地の一筆ごとに記載される。敷地権の登記がされると登記官の職権により、敷地権の目的たる土地の相当区(所有権敷地権の場合は甲区、地上権又は賃借権の場合は乙区)欄に敷地権たる旨の登記がされる。

指定流通機構

平成2年に宅建業者間で広く、かつ、迅速に物件情報を交換し、契約の相手方を探索する仕組として、指定流通機構制度が発足し、全国で37の流通機構が建設大臣(現・国土交通大臣)により指定された。指定流通機構制度の不動産取引への活用を図るため、専属専任媒介物件は宅建業法により、専任媒介物件は標準媒介契約約款により、指定流通機構ヘの物件登録が義務づけられた。その後、より広範かつ多数の物件情報を取引関係者が共有することにより、取引の一層拡大と、不動産取引市場の透明化を図る必要が生じたため、平成7年の業法改正で専任媒介物件についでも登録を義務づけるとともに、指定流通機構の法的位置づけを明確にすることとなった。これにより、平成9年4月から全国4組織(東日本不動産流通機構、中部圏不動産流通機構、近畿圏不動産流通機構、西日本不動産流通機構)の流通機構が建設大臣(現・国土交通大臣)の許可・指定を受け、法人格を有する組織として発足した。

私道負担

不動産取引において、売買等の対象となる土地の一部に私道の敷地が含ま れている場合に、この私道敷地部分を私道負担という。私道には建基法42条の道路となる私道以外にも、通行地役権の目的となっているようなものを含む。また私道について所有権や共有持分を持たずに、利用するための負担金を支払うことになっている場合や将来生じることになっている私道負担も私道に関する負担に含まれる。宅建業法35条に規定する重要事項の説明では、宅建業者に対して、取引の際には前もって「私道に関する負担に関する事項」を説明することが義務づけられている。これは、私道負担のあることを知らないで取引をした購入者に対して、損害を与えないよう、あらかじめ私道の負担の内容を説明する義務を課したものである。

支払金・預り金の保全

宅建業者が受領しようとする支払金又は預り金については、宅地建物取引業保証協会が一般保証業務として行う保証措置(連帯保証)、銀行等が一般保証委託契約に基づいて行う保全措置、及び保険事業者が保証保険契約に基づいて行う保全措置及び指定保管機関が一般寄託契約等に基づいて行う保全措置が設けられており、その概要は宅建業法35条に規定する重要事項の説明の1項目となっている。宅建業法35条1項10号に規定する支払金・預り金とは、代金・交換差金・借賃・権利金・敷金その他名義のいかんを問わず取引の対象となる宅地又は建物に関して受領する金銭である。ただし、受領額が50万円未満のもの、宅建業法41条又は41条の2の規定により保全措置が講じられてぃる手付金等、売主又は交換の当事者である宅建業者が登記以後に受領するもの、及ぴ報酬は除く。

借地権

建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう(借地借家法2条1号)。借地権者は地代支払等の義務を負うが、借地借家法は土地賃借権の登記(民法605条、不動産登記法1条)、又は地上権の登記がなくても地上建物に登記があれぱ、借地権の対抗カを認め、その存続期間を定め(借地借家法3条)、契約の更新を広く認め(同法5~7条)、さらに借地権の譲渡や借地転貸の場合の借地権設定者の承諾に代わる裁判所の許可(同法19条)や借地権者の建物買取請求権(同法13条)等の制度を設け借地権を強化した。借地権は、一つの財産権としての評価を受け、借地契約にあたっては、その割合の権利金が授受されることがある。

借地権の譲渡・借地の転貸

借地権の譲渡とは、旧借地権者(譲渡人)の地位がそのまま譲受人に移つて、譲受人が借地権者になり、旧借地権者は借地関係から離脱することをいう。借地の転貸とは、借地権者の地位は変動せず、借地権者が自己の借地権の範囲内で、第三者(転借地権者)のためにさらに借地権を設定することをいう。借地権が建物所有を目的とする土地の賃借権の場合は、これらのためには、借地権設定者の承諾を要する(民法612条、地上権の場合は不要)。この承諾についでは、借地権者から借地権設定者に対して、名義書換料等と称して借地権価額の5~15%程度の金銭が支払われることが多い。しかし、借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の中立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法19条1項)。借地権付建物譲渡の取引では、建物譲渡に伴い借地権が譲渡される。

借地権の存続期間

借地権が有効に存続する期間をいう。民法上賃貸借の期間は、最長20年間と定められている(民法604条)が、借地借家法は、借地権の存続期間は30年とし(借地借家法3条)借地契約を更新する場合には、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては20年)とする(同法4条)。ただし、いずれの場合にも、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間となる。定期借地権等の特殊な借地契約の存続期間は、一般定期借地権は50年以上(同法22条)、建物譲渡特約付借地権は30年以上(同法23条)事業用借地権は10年以上20年以下(同法24条)としなくてはならず、一時使用目的の借地権は、当事者が使用目的に従った期.間を定める(同法25条)。借地借家法の施行(平成4年8月1日)前に設定された借地契約を更新する場合の存続期間は、なお従前の借地法の例による(同法附則6条)。

借地権の対抗力

借地権者が量的物(土地所有権)の譲受人や借地権設定者から二重に借地権の設定を受けた者に対し、自己の借地権を主張できることをいう。民法上、地上権も(不動産)賃借権も登記が対抗要件とされているが、地上権と異なり、賃借権では賃貸人に登記に協力する義務はないと解され、実際に登記ぎれる例もあまりない。そこで、借地借家法は、借地権者を保護するため、借地権者が借地土の建物についで登記をしたときは、土地についでの賃借権又は地上権の登記がなくとも借地権を対抗できるものとした(借地借家法10条)。建物についでの登記は、所有権保存登記ぱかりでなく、表示脊記のなされている場合であってもよいが、父が子の名義の登記をしたような家族名義で登記されている場合には、対抗力がないとされる(最判昭41.4.27)。

借地借家法

借地法、建物保護ニ関スル法律、借家法を廃止し、平成4年8月1日に施行きれた法律。従前の法律に対して、借地、借家の関係を活性化するために、新しいタイプの借地権(定期借地権、事業用借地権、建物譲渡特約付借地権)を作り、存続期間についても、それまでの建物の堅固、非堅固による区別を、一律30年とし、最初の更新を20年、次回更新から10年とした。また、借家契約においては、期限付建物賃貸借が改正され、定期建物賃貸借の制度が導入された(平成12年3月1日施行)。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

守秘義務

宅建業者及びその使用人その他の従業者は、正当な理由がなけれぱ、その業務上取り扱ったことについで知り得た秘密を他に漏らしてはならず、宅地建物取引業を営まなくなつた後、又はその使用人等でなくなった後でも同様とされている(宅建業法45条、同法75条の2)。宅建業者等は、宅地又は建物といった依頼者の重要な財産について、相談を受けたり取引に関与したりして他人の秘密を知る機会が多いので、業務上知り得た他人の秘密を守ることをとくに強く義務づけられている。「正当な理由」が認められる場合として、例えぱ、裁判の際、又は税務署の職員から法令に基づき証言を求められた場合等が挙げられる。

商業地域

都市の中心や地区の中心にある商業、業務地などを対象にして、主に商業、業務などの利便を図る地域。

消費者契約法

消費者と事業者との間の情報の質・量・交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認・困惑した場合の契約の申込み等の取消し等を定め、消費者の利益の擁護を図ること.を目的として平成13年4月1日より施行された法律。消費者と事業者との間で締結される契約についで適用され、当事者双方が事業者である契約と当事者双方が消費者である契約は対象とならない。本法では、事業者が契約の締結の勧誘に際して、重要事項について事実と異なることを告げ又は将来における変動が不確実な事項の断定的判断を提供し、消費者がその内容が事実であると誤認した場合は申込みや承諾の取消しを可能とし(4条)、事業者が損害賠償の責任を全く負わないとする等、消費者の利益を不当に害する契約条項の無効(8条)、等を定めている。消費者契約法と民法・商法が競合する場合は消費者契約法が優先し適用される。また、消費者契約法と宅建業法が競合する場合は、宅建業法が優先される(11条2項)。例えぱ、瑕庇担保責任の免責特約は、消費者契約法では免責特約が有効な場合を限定し、全部免責条項を無効としているが、宅建業法では、売主が業者の場合は、目的物の引渡し後2年以上となる特約を除き、買主の不利となる一切の特約を無効(宅建業法40条2項)としており、宅建業法が優先して適用される。

使用貸借

借主が貸主から目的物を無償で借りて使用収益し、後にその目的物を貸主に返還する契約をいう(民法593条以下)。借主は契約に返還時期の定めがあるときはその時期に、その定めがないときは契約に定めた目的に従い使用収益を終えたとき等に、目的物を返還しなけれぱならない。使用収益の対価を支払わない(無償)という点において賃貸借と異なる。使用貸借には、その目的物が住宅やその敷地であっても、借地借家法は適用されない。親族や雇用等特殊な人的関係のある者の間で約束されるが、そういう人的関係の崩壊したときに法的紛争を生ずることが少なくない。

事業用借地権

平成4年8月1日より施行された借地借家法で新たに創設された定期借地権制度の一形態(借地借家法24条)で、更新のない借地権である。この借地権は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として、存続期間を10年以上20年以下と定めるもので、存続期間の満了により借地契約が終了する。この借地権を設定する場合には、(1)専ら事業用の建物(住宅を除く)の所有を目的とする旨、(2)存続期間が10年以上20年以下である旨の約定が必要である。この制度を利用するに当たっては、特約を含め契約を公正証書によって行うことが法律上要求されている。主な利用目的として、郊外のロードサイドの量販店、外食店舗や工場地等が考えられる。

地すべり等防止法

地すべり及びぼた山の崩壊による被害を除却し、又は軽減するため、地すべり及びぼた山の崩壊を防止し、もって国土の保全と民生の安定に資することを目的としている。地すべり防止区域内において、地下水の排除を阻害する行為、地表水の浸透を助長する行為、工作物の新築、改良等をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。ぼた山崩壊防止区域内において、立木竹の伐採、のり切、土石の採取等をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

重説

重要事項説明又は重要事項説明書の略。〔重要事項の説明義務〕

住宅性能保証制度

(財)住宅保証機構が運営する新築住宅の瑕疵に関する保証制度。保証期間内に瑕疵が発生したときは、保証書を発行した登録業者が無償で補修を行う。働住宅保証機構は、設計施工基準の制定、現場検査の実施、補修費用の保険金によるカバー等により保証期間内の保証の実効性を高めている。なお、保証書を発行した登録業者が倒産した場合は、保険により一定の保証が行われる。保証期間は、住宅品質確保法に対応しているが、仕上げの剥離、建具の変形等特定の不具合に対しても独自の短期保証がある。昭和55年度に一戸建住宅を対象に実施された後、平成5年度から一定の新築分譲マンション、平成9年度から一定の共同住宅、平成14年度から一定の増改築工事についても適用対象として制度拡充された。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)

住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価の制度を設け、住宅に係る紛争の処理体制を整備するとともに、新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕庇担保責任についで特別の定めをすることにより、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的として平成12年4月1日から施行された法律。本法では、住宅の建設工事の請負人は、請負契約書に住宅性能評価書やその写しを添付し又は注文者に交付した場合は、その住宅性能評価書等に表示された性能を有する住宅の建設工事を行うことを契約したとみなされる(6条1項)、また、新築住宅の売主は、売買契約書に住宅性能評価書やその写しを添付し又は買主に交付した場合は、その住宅性能評価書等に表示された性能を有する新築住宅を引き渡すことを契約したとみなされる(6条2項)等の定めがある。住宅性能評価は、住宅の請負工事発注者や新築住宅の供給者の申請により任意に行われるもので、全ての住宅に義務付けられたものではない。宅建業法には、建物の売買又は交換の契約にあっては、建物が住宅品質確保法に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を重要事項説明書の記載事項とする規定がある(宅建業法施行規則16条の4 の2)。

重要事項の説明義務

宅建業者は、宅地・建物の売買(割賦販売を含む)・交換・賃貸等の相手方、代理を依頼した者、媒介に係る売買・交換・賃貸等の各当事者(以下「相手方等」という)に対して、その者が取得し又は借りようとしている宅地・建物に関し、契約が成立するまでの間に、取引しようとする物件や取引条件等に関する一定の重要な事項についで、これらの事項を記載した書面(重要事項説明書)を交付して、取引主任者から説明をさせなければならない(宅建業法35条1項及び2項)。なお、取引主任者は、説明をするときは、相手方等に対して、宅地建物取引主任者証を提示しなければならないこと(同法35条3項)、書面(重要事項説明書)の交付に当たっては、取引主任者は、当該書面に記名押印をしなけれぱならないとされている(同法35条4項)。

重要事項の不告知・不実告知の禁止

宅建業者は、その業務に関して、宅建業者の相手方等に対し、重要な事項についで故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない(宅建業法47条1号)。重要な事項というのは、取引の相手方等にとって、その意思を左右するような重大な利害関係のある事項のことである。例えば、取引の対象となっている土地や建物に、第三者の権利が設定されている場合、宅建業者がこれを故意に告げなかったり、あるいは虚偽の事実を告げたりすることを禁止したものである。

準共有

複数の者が一つの物の所有権を有する場合を共有、所有権以外の財産権を有する場合を準共有(民法264条)という。数人共同で、物‐を買ったり相続したりすると共有を生じ、各人はこの物の持分を有することになる。持分は合意又は法律の規定(同法900条等)で決まるが、それが明らかでない場合は均等と推定される(同法250条)。共有者は持分に応じて共有物全部の使用ができる(同法249条)。共有物の保存行為は単独でできる(同法252条ただし書)が、管理行為は過半数で決し(同法252条)、その費用は持分に応じて負担する(同法253条)。共有物全部の処分は全員一致でなけれぱならないが、持分の処分は自由である。共有物の分割は協議により(同法256条)、協議が調わないときは裁判所に請求する(同法258条)。

準工業地域

中小の工場と住宅、店舗などが混在している地域にあって、主に環境悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進する地域。

準住居地域

自動車関連施設など沿道の業務の利便を図りながら、これと調和した住環境を保護する地域。

準都市計画区域

準都市計画区域とは、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律その他の法令による土地利用の規制の状況、その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域をいう。

準防火地域

都市計画で指定される地域であり、火災を防止するために比較的厳しい建築制限が行なわれる地域である。

スラブ

建築関係では床版のことを指す。一般的には鉄筋コンクリート構造の床の加重を支える床のことをいう。建基法施行令では、鉄筋コンクリート造における構造耐力上主要な部分の床版は8cm以上と定められている(建基法施行令77条の2第l項)が、集合住宅では遮音が問題となり、より厚い床スラブ(15cm以上)の使用が一般的となっている。

生産緑地法

生産緑地地区に関する都市計画に関し必要な事項を定めることにより、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境の形成に資することを目的としている。「生産緑地地区」とは、市街化区域内にある農地等で、良好な生活環境の確保に相当の効用があり、公共施設等の用地として適していることなどの一定の条件に該当する一団のものの区域について、都市計画に定められる地区をいう。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

セットバック

本来は、日照の確保等のため、建物の上階を下階よりも後退させて建築することであるが、一般的には建基法の制限による次のような場合をセットバックという。敷地前面道路の幅員が4m未満の道で特定行政庁が指定したもの(いわゆる2項道路)の場合、その中心線から2m(ただし、道路の反対側ががけ又は川などの場合は道路の境界線から水平に4m)以上後退した線が道路の境界線とみなされ、敷地の一部を道路部分(セットバック部分)としてみなされる(建基法42条2項)。壁面線が指定されている場合、建築物の壁又はこれに代わる柱、2m超の門・へいは原則として壁面線を越えて建築できない(同法47条)。第-種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内において、都市計画において外壁の後退距離が定められた場合は、建築物の壁又はこれに代わる柱から敷地境界線までの距離は、定められた限度(1.5m又は1m)以上でなければならない(同法54条1項・2項)

専属専任媒介契約

媒介契約の一類型で、専任媒介契約に自己発見取引の禁止の特約(依頼者は、媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と、売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約)を付した契約である。媒介契約を締結した業者は、(1)書面の交付義務、(2)価額等についで意見を述べる際の根拠明示義務が課されているが、さらに専属専任媒介契約を締結した業者は、(3)媒介契約の有効期間を3カ月以内とすること、(4)依頼者の申し出がないと期間の更新ができないこと等のほか、(5)1週間に1回以上業務の処理状況についで報告すること、(6)媒介契約の締結日から5日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどが義務づけられている。〔⇒一般媒介契約、⇒専任媒介契約〕任者であるときは、その役員は、自ら主として業務に従事する事務所についでは、専任の取引主任者とみなされる(同法15条2項)。

専任媒介契約

依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁止するもので、媒介契約の一形式。専任媒介契約が締結されると、依頼者は他の業者への依頼が禁止されるが、宅建業者は他の業者から依頼者を横取りされることがないため、取引の相手方を積極的に見付ける努力が期待でき、依頼者としても成約までの期間が短縮できるなどのメリットがある。宅建業法では(1)依頼者の利益が損なわれることのないよう、専任媒介契約の期間は3カ月を超えることができないこと、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3カ月を超えないこと、(2)宅建業者は2週間に1回以上依頼者に業務の処理状況を報告すること、(3)媒介契約締結の日から7日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどを義務づけている(宅建業法34条の2)。

線引き

都市計画地域について、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に市街化区域(すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域)と市街化調整区域(市街化を抑制すべ.き区域)との区分(区域区分)を定めることができるとしている(都計法7条1項)。この区域区分することを通常線引きと呼び、区域区分が定められていない都市計画区域を非線引都市計画区域という。市街化区域については少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域についでは原則として用途地域を定めないものとされている(同法王3条1項7号)。なお、首都圏整備法に規定する既成市街地又は近郊整備地帯、近畿圏整備法に規定する既成都市区域又は近郊整備区域及び中部圏開発整備法に規定する都市整備区域の全部又は一部を含む都市計画区域、並びに、大都市に係る都市計画区域として政令で定めるものについでは、必ず区域区分を定めるものとされている(同法7条1項)。

占有権

自己のためにする意思で、物を所持するという事実状態(占有)が権利として認められることをいう(民法180条)。このような事実状態が権利として認められるのは、社会の現状を一応正しいものとして、これを保護し秩序を維持しようとするためである。したがって民法は、占有者は所有の意思をもって善意・平穏かつ公然に占有するもの(同法l86条)、並びに占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定している(同法188条)。そして占有権者は、自己の占有が侵害されようとするときには、占有の訴によって救済を受けられる(同法197条以下)。占有権は所有権などの本権とは別個のものであるから、この訴は本権の訴とは別の扱いを受ける(同法202条)。

専有部分

一棟の建物のうち、構造土区分され独立して住居等の用途に供することができる部分で、区分所有権の目的となるものをいう(区分所有法1条、同法2条3項)。専有部分以外の部分は廊下、階段等の共用部分である。専有部分は、まず構造上の独立性を必要とし、仕切壁、天井、床等によって他の部分と遮断されていなければならない。次に、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他摯物としての用途に供するという利用上の独立性も必要とされている。なお、共用部分であっても、バルコニーのように特定の区分所有者の専用使用権が認められることがあるが、このためには規約又は管理組合での決定が必要である。

有面積と専用面積

専有面積とは、分譲マンション等の区分所有建物の専有部分(区分所有権の目的となる建物の部分)の面積をいうが、この専有面積に共用部分のうち特定の部分を特定の区分所有者に専用的に使用させる部分(バルコニー・扉付きのポーチ状になった廊下の一部等の専用使用部分)の面積を加えた面積のことを専用面積ということがある。しかし、不動産の表示に関する公正競争規約では区分所有建物の場合は専有面積を表示することとされており、これに車庫、地下室等の面積を含むときは、その旨及びその面積を表示することとなっている。なお、専有面積の算出法には壁芯計算と、登記簿に記載される内法計算の2つがあるが、区分所有建物の床面積は、規約で別段の定めをしない限り、「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平影面積による」(区分所有法14条3項)として、内法計算によることとしている。

専用使用権

各住戸に接するバルコニーのような共用部分でありながら、特定の人だけが使用できる権利を専用使用権といぅ。専用使用権の設定は、原則として区分所有者全員の合意が必要であり、通常は、管理規約等で規定されている共用部分の管理については、管理組合が責任を負うのが原則であるが、専用使用権が及ぶ部分についでは、その専用使用者が管理についでの責任を負う旨規定されることが多い。なお、宅建業者はこの専用使用権に関する規約がある場合に、これを説明する必要がある(宅建業法35条1項の5号、同法施行規則16条の2第3号)

損害賠償

契約違反(債務不履行)や不法行為を原因として発生した損害を填補することをいう(民法415条、同法709条)。金銭で賠償するのを原則とする(同法417条、同法722条l項)が、名誉毀損では謝罪広告を求めることもできる(同法723条)。賠償されるのは財産上の損害が通例であるが、生命、身体、自由等の侵害にあっては精神的損害(慰謝料)も請求できる(同法710条、同法711条)。賠償額は、原則としてその加害行為(債務不履行)によって通常生ずべき(相当因果関係のある)損害に限るが、特別の事情による損害も当事者が予見し、又は予見可能であった七きは賠償の対象となる(同法4l6条)。損害賠償請求権は、不法行為では加害者及び損害を知ったときから3年、債務不履行では権利発生から10年で時効消滅する。

損害賠償の予定等の制限

損害賠償額の予定(債務者の債務不履行の際、債権者は実際に生じた損害を立証することなく、あらかじめ予定した額を請求できるとの定め)は、一般私法上は自由にできるが、宅建業者が自ら売主として、売買契約を締結するときは、損害賠償額の予定と違約金(違約罰)の合計額に限度(代金の10分の2以下)を設け、これに反する特約は、限度を超える部分について無効とされている(宅建業法38条)。これを自由とすれば、予定額が極めて高額となって購入者の利益を害するおそれもあり、また一般的に実損害が代金の2割を超えるのはまれであると考えられ、このような場合が想定されるときは予定額を定めず、実損害を立証して請求する方法もあるためである。本条は宅建業者間取引には適用されない(同法78条)。

た行

タウンハウス

テラスハウスとは、住宅の建て方の一つで、長屋建て、連続建てともいわれ、各戸が土地に定着し、共用の界壁で順々に連続している住宅のことである。タウンハウスとは、接地型住宅団地の一つの形態であって、住戸を集約化し、各住戸の専用使用する土地の面積を最小限にとどめ、それによって、オープン・スペース、コミュニティ施設用地を確保し、良好な住環境を団地全体で創出するものである。しかし、タウンハウス団地内の住宅はテラスハウスであることが多いため、テラスハウスのことをタウンハウスということもあるようであるが、この両者はもともと異なった意味を持つものである。なお、敷地(団地の敷地の全部あるいは一部)が共有となるか否かで区別し、有であれぱタウンハウス、そうでなればテラスハウスと称することもある。

宅地造成等規制法

宅地造成工事規制区域内で宅地造成工事に関する工事を行なおうとする時は、造成主は、工事着手前に都道府県知事(指定都市、中核市又は特例市の長)の許可を受けなければならない。なお、ここでいう「造成主」とは、宅地造成工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

宅地建物取引業

宅地建物取引業とは、宅地又は建物についで、売買又は交換、売買・交換又は賃貸の代理、売買・交換又は賃貸の媒介を、業として行うものをいう(宅建業法2条2号)。従って貸借を業として行う行為は該当しない。業として行うとは、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態を指し、その判断は(1)取引の対象者、(2)取引の目的、(3)取引対象物件の取得経緯、(4)取引の態様、(5)取引の反復継続性を参考に諸要因を勘案して総合的に行われる。

宅地建物取引業保証協会

宅建業者を社員とし、国土交通大臣の指定を受けた公益社団法人であつて、社員の宅地建物取引業に係る取引に関する苦情の解決、取引により生じた債権の弁済等が主な業務内容である。平成15年3月末現在、(公社)全国宅地建物取引業保証協会と(公社)不動産保証協会が指定されている。加入する宅建業者は、営業保証金の供託に代えて、一定額の弁済業務保証金分担金(主たる事務所つき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円)を納付することと されている。社員である宅建業者と取引した者は、取引により生じた債権に関し、保証協会の認証を受けた額の弁済を受けることができることとなっている。また、保証協会は、この弁済業務のほか、取引の苦情、紛争の相談や宅建業に従事する者に対する研修等も行っている。

宅地建物取引士

宅地建物取引主任者とは、宅地建物取引主任考証の交付を受けた者をいう(宅建業法15条1項)。宅地建物取引主任者になろうとする者は、都道府県知事が行う宅地建物取引主任者資格試験(同法16条)に合格し、都道府県知事の登録を受け(同法18条)、さらに宅地建物取引主任考証(同法22条の2)の交付を受けなけれぱならない。なお、昭和63年の宅建業法改正により、登録は、宅地若しくは建物の取引に関し2年以上の実務経験を有する者、又は、国土交通大臣がその実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると認めた者でなけれぱ受けられないこととされた。宅地建物取引士証の有効期間は、5年である。有効期間の更新を受けようとする者は、都道府県知事が指定する講習を受講しなければならない。宅地建物取引士は、取引の当事者に対する重要事項の説明(同法35条)、重要事項説明書及ぴ同法37条の規定に基づく書面(契約書)の内容確認と記名押印の事務を行うことができるとされている。

宅建業者

宅地建物取引業者の略称。

建物買取請求権

地主に対し、借地上の建物の買取りを求め得る権利をいう。(1)借地権が消滅し契約が更新されなかったとき(借地借家法13条、平成4年7月31日以前の契約についでは旧借地法4条2項)、(2)借地権者から借地上の建物を護り受けた者に対して地主が賃借権の譲渡、又は転貸を承諾しないとき(借地借家法14条、平成4年7月31日以前の契約についでは旧借地法10条)、賃借人から買取請求ができる。形成権であるから、その行使があれば、賃借人と地主との間で建物の売買契約が成立する。代金額は、取壊しを前提としたものでなく物としての時価である。借地権の価格は含まれないが、場所的利益は考慮誉れる。建物買取請求権者は、地主から代金の提供があるまでは、建物の明渡しを拒否できる。

第一種住居地域

大規模な店舗(3、000㎡を超えるもの)や事務所(3、000㎡を超えるもの)を制限して、住環境を保護する地域。

第一種中高層住居専用地域

中高層に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域。

第一種低層住居専用地域

低層住宅の専用地域で、1、2階を中心とした低層住宅の良好な住環境を保護する地域。

第二種住居地域

店舗や事務所などの非住宅用途との混合を認めた地域で、主に住環境を保護する地域。

第二種中高層住居専用地域

中規模な店舗(1、500㎡以下かつ2階以下)など日常生活の利便施設を認めた地域で、主に中高層住宅の良好な住環境を保護する地域。

第二種低層住居専用地域

小規模な店舗や飲食店を認めた地域で、主に低層住宅の良好な住環境を保護する地域。

代物弁済の予約

債務者が履行期に弁済しないとき、債務の弁済に代えてその所有する土地建物等の所有権を債権者に移転する旨の予約をいう。履行期を徒過し債権者が予約を完結すると所有権は移転するが、土地の高騰のため履行期に債権額との間に著しいアンバランスを生ずるような状況が生じたので、判例はそれが担保のためになされることに着目し、その差額を清算すべきであるとするようになった。これを受けて、仮登記担保契約に関する法律(昭和53年制)が制定されたが、これによると、代物弁済の予約等で仮登記、仮登録のできるものについでは、予約の完結等があったときでも2カ月の清算期間を過ぎないと所有権は移転せず(仮登記担保契約に関する法律2条)、清算が終わらなけれぱなお5年間債務者の土地等の受戻しを認める(同法11条)。

代理

本人と一定の関係にある者(代理人)が、本人のために意思表示をなし(能働代理)、又はこれを受けることによって(受働代理)、その法律効果が代理人ではなく全面的に本人に帰属する制度をいう(民法99条以下)。親権者(同法4条、同法818条)など法律の規定に基づく法定代理と、本人の信任を受けて代理人となる任意代理とがある。任意代理権は、通常、委任・請負・雇用等の契約に伴う代理権授与行為により発生し、代理人に委任状が交付されることが多い。民法上、代理は本人のためにすることを示して行われるが、商行為の代理では顕名は不要である(商法504条)。代理人は本人に対し善管義務、忠実義務を負い、自己契約・双方代理を行ってはならない(民法}08条)。

地価公示(法)

昭和44年7月施行の地価公示法に基づき、土地鑑定委員会は全国の都市計画区域における標準地について、昭和45年以降、毎年1月l日現在の単位面積当たりの正常な価格を公示している。この公示価格は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共用地の取得価格算定の規準とされ、また、国土法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準とされる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。

地区計画区域

都市計画の種類の一つで、区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の街区の開発と保全のため、市町村が定めるきめ細かな計画のこと。

仲介

一般的には、当事者の間に入つて便宜を図ったり尽力することで、不動産取引では、他人間の契約行為の締結に尽力する媒介行為を「仲介」という。宅建業法等の法令では「媒介」という。なお、宅建業者が行う不動産広告では、取引態様の明示としてΓ媒介(仲介)」又は「仲介」とされる。宅建業者が行う不動産取引の仲介の法律的な性格は、商法でいう他人間の商行為の媒介である仲立営業(商事仲立ともいう。商法543条以下)の場合のほか、一般私人間の企業経済活動ではない不動産取引の媒介をする民事仲立の場合があるが、民事仲立については、法律に特別の規定がない。媒介契約は、依頼者からの依頼に基づき媒介という事実行為を目的とするので、準委任(民法656条)と解され、委任の規定(民法643条以下)を準用すべきものとされている。

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

ツーバイフォー工法

枠組壁工法

定期借地権

平成4年8月1日より施行された借地借家法で新たに創設された制度。更新がなく、定められた契約期間で確定的に借地関係が終了する。従前の借地法では、存続期間が満了しても借地権が消滅するわけではなく、正当事由が必要であった。その結果、借地権を設定することが躊躇され、設定する場合においては、高い権利金等の支払が生じていた。そこで、借地借家法は、借地法の大原則である「存続期間が満了しても借地権は当然には消滅しない」という仕組みに対して、一定の場合には例外を認める、つまり一定の範囲で、更新のない借地権を認めることとし、新たに以下の3つの類型の定期借地権を創設した。(1)存続期間を50年以上と定めることを要件とする「定期借地権」(一般定期借地権)(同法22条) (2)借地権を設定した日から30年以上を経過した日に借地上の建物を借地人から地主に譲渡することをあらかじめ約束して借地をするF建物譲渡特約付借地権」(同法23条) (3)事業目的で存続期間を10年から20年以下とする「事業用借地権」(同法24条)この定期借地権制度が利用されることによって土地を貸しやすく借りやすくなり、借地の新規供給、利用の幅が広がることが期待されている。

抵当権

債務者又は第三者(物上保証人)に用益させたままで、債務の担保として提供した不動産等について、優先弁済を受ける担保物権をいう(民法369条以下)。優先弁済は、通常、民事執行法に従い換価(任意競売)によるが、破産の場合は別除権(破産法92条以下)、会社更生では更生担保権(会社更生法123条等)によって行う。抵当権者は目的物の交換価値だけを確保し、設定者に使用収益権を留保することから、生産財について最も合理的な担保とされ不動産に限らず、特別法により、鉄道財団(鉄道抵当法)、工場財団(工場抵当法)、航空機(航空機抵当法)、船舶(商法84嵩条以下)、自動車(自動車抵当法)、建設機械(建設機械抵当法)等を対象とする抵当権もある。

手数料

「手数料」には様々な用例があるが、不動産取引において単に「手数料」と言われる場合には、通常、宅建業者が収受する媒介報酬をいう。なお、法令用語としては、国等が他人のために行う公務に関して徴収する料金をいい、宅建業法では宅建業者の免許・免許更新、取引主任者の登録・登録移転、取引主任考証の交付・更新についでの手数料徴収を規定している。

手付

方から相手方に対して交付される金銭その他の有価物をいう。手付には、契約の成立を証する証約手付、手付を交付した者はそれを放棄し、相手方はその倍額を償還して契約を解除することを認める解約手付、手付額を債務不履行の場合の損害賠償額の予定又は違約罰とする違約手付がある。どの「手付であるかは当事者の意思によって決められるが、いずれの場合にも、証約手付の意味がある。民法ほ、当事者の意思が不明のときは、解約手付と解することとしている(民法557条)。宅業者が売主として受け取る手付は解約手付である(宅建業法39条2項)。なお、契約の際内金と表示されても解約手付と解されることがある。手付金は、契約が約定どおり履行されるときは、一部弁済として取り扱われることとなる。

手付金等

代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであって、契約の締結の日以後、取引物件の引渡し前に支払われるものをいう(宅建業法41条l項)。

手付保証

手付金等の保全措置

テラス

庭園や街路に張り出して、コンクリートやレンガ等を敷きつめた場所のことで、日本語でいう露台のこと。住宅のホールや食堂、居間等から直接出られるようになっていて、戸外で休息したり、お茶を飲んだりするのに使う。テラは土の意味。

テラスハウスとタウンハウス

テラスハウスとは、住宅の建て方の一つで、長屋建て、連続建てともいわれ、各戸が土地に定着し、共用の界壁で順々に連続している住宅のことである。タウンハウスとは、接地型住宅団地の一つの形態であって、住戸を集約化し、各住戸の専用使用する土地の面積を最小限にとどめ、それによって、オープン・スペース、コミュニティ施設用地を確保し、良好な住環境を団地全体で創出するものである。しかし、タウンハウス団地内の住宅はテラスハウスであることが多いため、テラスハウスのことをタウンハウスということもあるようであるが、この両者はもともと異なった意味を持つものである。なお、敷地(団地の敷地の全部あるいは一部)が共有となるか否かで区別し、有であれぱタウンハウス、そうでなればテラスハウスと称することもある。

登記権利者・登記義務者

対立する当事者が、共同して登記申請する場合の登記手続上の呼称である(不動産登記法26条l項)。登記権利者とは、その登記が実行されたとき、その権利についで利益を受けることが登記簿上直接的に表示されることになる権利の名義人をいい、登記義務者とは、それとは逆にその権利につき不利益を受ける‐ことが登記簿上、直接的に表示されることになる権利の名義人をいう。例えぱ、売買による所有権移転登記にあっては買主が登記権利者、売主が贅記義務者となる。また抵当権設定登記にあっては抵当権者が登記権利者、設定者が登記義務者となるが、その抹消登記の申請では、反対に設定者が登記権利者、抵当権者が登記義務者である。

登記事務のコンピュータ化

登記簿の改ざん防止、増大する謄抄本の交付請求への対応等、登記事務処理の迅速化・適正化を図るため、昭和63年の不動産登記法の改正により、法務大臣の指定する登記所において、登記情報がコンビユータで処理されることとなり移行作業が、順次進められている。コンビユー‐タによる処理の内容としては、登記簿の情報を電磁的に記録(以下、Γコンビュータ登記簿」という)し、コンピュータ登記簿から謄抄本に代わる書面(登記事項証明書)を発行したり、登記申請があった場合には権利変動をコンビュータ登記簿に書き込むというシステム(ブックレスシステム)である。

登記の公信力

登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でないような場合でも、一定の要件の下でその権利を取得することが認められることをいう。わが国では、登記の公信力を認めない。したがつて、いくら登記名義人が真実の所有者と思って、その者から不動産を買い受けたとしても、真の所有者からはそれを取り上げられることになるので、不動産の取引では、登記簿を閲覧するだけでは不十分ということになる。これに対して、動産では占有に公信力が認められるから、売主の所有と信じた買主は、そぅ信じるについで過失がなけれぱ、真の所有者がほかにあっても、その動産の所有者となることができる(民法192条)。

登記簿

私法上の権利の得喪・変更など関係事実の存在を公示かつ保護するため、一定の事項を記載した公の帳簿をいい、不動産登記簿、船舶登記簿、商業登記簿がある。

登記簿謄本

登記用紙と同一様式の用紙をもって、(1)登記簿の一用紙に記載した事項を遺漏なく全部謄写したもの(不動産登記法施行細則35条の2本文)、(2)又は法令で定められた一部の事項を除くその他の事項の全部を謄写したもので、登記官の認証したものをいう。後者には、(1)現に効力を有する登記のみを謄写して作成したもの(同細則35条の2ただし書)(ただし、その場合は、その旨が記載されている)、(2)共同人名票の謄写のみを省略し、その余の事項全部を謄写して作成したもの(同細則35条の3第l項)、(3)共同担保目録、信託原簿、又は工場抵当の機械器具目録の謄写のみを省略し、その余の事項全部を謄写して作成したもの(同細則35条の3第2項)がある。登記簿謄本はだれでも手数料を納付して、直接に、または郵送料を切手で納付すれば郵便でも申請できる(同法21条)。

道路位置の指定

道路法、都計法、土地区画整理法、都市再開発法等によらないで築造する道路(幅員4メートル以上)で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの(位置指定道路)については、建基法上の道路として接道義務、道路内建築制限、容積率、道路高さ制限等の規定が適用される(建基法42条1項5号)。この道路位置の指定についでは、袋地状道路とすることができる場合の当該道路の延長の制限や自動車の転回広場の設置、すみ切りの設置、縦断勾配等に関する基準が政令で定められている(同法施行令144条の4)。

特定道路

建基法で幅員15メートル以上の道路のこと。幅員6メートル以上12メートル未満の前面道路が、延長70メートル以内の部分において特定道路に接続する場合に、特定道路までの距離に応じて前面道路の幅員加算が行われる(建基法52条8項)。

都計法

都市計画法の略称

都市計画

都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、都計法の規定により定めちれたものをいう。都市計画区域の整備・開発及び保全の方針、区域区分(市街化区域及び市街化調整区域)、都市再開発方針等、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興推進地域、都市施設、市街地開発事業、市街地再開発事業等予定区域、地区計画等の11種類がある(都計法6条の2~12条の12)。都市計画が決定されるとその効果として、都市計画がはたらき、一定の建築行為等が規制されることとなる。都市計画は、都道府県又は市町村が定める(同法15条1項~4項)。

都市計画区域外

都市計画区域の外側。

都市計画法

現行の都市計画法は、大正8年の旧都市計画法を廃止し、昭和43年に新法として制定され、昭和44年から施行された。高度経済成長に伴う産業と人口の都市部への集中は、無秩序な市街化の拡大や都市内部の過密化、土地利用の混乱を招き、都市機能の低下や環境の悪化等の弊害をもたらした。こうした事態を踏まえて、「都市の健全な発展と秩序ある整備1を図り、「国土の均衡のある発展と公共の福祉の増進」に寄与することを目的として、本法は制定された。内容としては、(1)都市計画区域内において定める地域地区等の土地利用に関する計画や都市施設、市街地開発事業に関する計画といった都市計画の内容等、(2)都道府県や市町村による都市計画の決定手続、(3)開発許可制度等の都市計画制限等について定めている。最近では、平成14年に改正され(平成15年1月1日施行)、都市計画の案制度の創設、地区計画等の見直し等が行われた。

徒歩所要時間の表示

宅建業者が一団の宅地又は建物の分譲の広告をする場合に、当該団地から各施設までの距離又は所要時間についで表示をするときは、不動産の表示に関する公正競争規約15条により、道路距離80メートルにつき1分を要するものとして算出し、1分未満の端数についでは1分に切り上げることとしている。坂道、歩道陸橋は考慮されず、信号の待ち時間も含まれない。

取引事例(成約事例)

宅建業者が媒介を行った売買・交換及び賃貸借の不動産取引について成約時期、対象物件、取引物件、当事者の事情等の取引内容を整理し、資料事実に表現したものをいう。業者が媒介契約締結に際し売却物件を取引事例と比較検討することにより、依頼者へ助言する意見価格の根拠として必須であるほか、市場調査、地価動向、相場気配等の不動産取引実態把握に役立つところが大きい。宅建業者は登録物件についての売買・交換の契約が成立したときは、遅滞なく、指定流通機構に報告しなけれぱならない(宅建業法34条の2第7項)。

取引態様の明示

宅建業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするとき、及び注文を受けたときは、次のいずれの立場であるかを明らかにしなければならない(宅建業法34条)。それは、(1)自己が契約の当事者となって売買又は交換を成立させる、(2)代理人として、売買、交換又は貸借を成立させる、(3)媒介して売買、交換又は貸借を成立させる、の3態様であるが、これを明示する必要があるのは、取引態様のいかんにより法律上の効果や報酬の額が異なるからである。なお、取引の途中で取引態様が変わったときも、遅滞なく明示し直さなければならない。明示の方法は、口頭でも書面でも良いが、紛争を防ぐためにも書面でするほうが望ましい。

土壌汚染対策法

土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図ることを目的として平成15年2月15日に施行された法律。本法では、鉛、砒素、トリクロロエチレン等の特定有害物質に関する定義、土壌汚染の状況.の調査、土壌汚染のある土地についての指定区域め指定、土壌汚染による健康被害の防止措置等を定めている。

な行

2項道路

建基法42条2項に定められた建基法上の道路なので、一般にこう呼ぱれる。みなし道路ともいう。昭和25年11月23日以前(この日以降に都市計画区域に指定された区域内の場合は、指定の日の前日以前)から建物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁が指定したものは建基法上の道路とみなされ、道路の中心線から2メートル後退したところに道路境界線があるとみなされる。ただし平成4年の法改正により、特定行政庁が指定する区域内においては原則として幅員6メートル以上が道路として取り扱われれるが、この6メートル区域指定を受けた場合は、道路の中心線から3メートル(避難や通行の安全に支障がない場合2メートル)が道路境界線とみなされる。また道路の片側がJI|やがけ等の場合は、それらの境界線から4メートル後退したところが道路境界線とみなされる(建基法42条2項)。不動産の広告に当たっては、建基法42条2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地についてはその旨を表示し又セットバックを要する部分の面積がおおむね1割以上である場合は、その面積も表示しなければならない(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則3条3号)。

農地等の権利移動の制限

(1)農地又は採草放牧地についで所有権を移転し、又は地上権、賃借権等の使用収益権を設定し、若しくは移転する場合には農業委員会(その住所地以外の区域にある農地を取得する等の場合には都道府県知事)の許可を受ければならない(農地法3条l項)。許可を受けないでした売買契約等はその効力を生じない(2)農地又は採草放牧地を転用(採草放牧地を農地に転用する場合を除く)するために、これらの土地について、(1)の権利(同法3条1項本文に掲げる権利)を設定し、又は移転する場合は当事者が都道府県知事(同一事業の目的に供するため4へクタールを超える農地等の権利を取得する場合には、農林水産大臣)の許可を受けなければならない(同法5条1項)。無許可の売買契約等はその効力を生じない。

農地法

農地はその耕作者自らが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、ならびに土地の農業上の効率的な利用を図るため、その利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的としている。

農地法

農地改革の成果を維持推進するために昭和27年に制定された法律で、農地はその耕作者自らが所有することが最適であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るため、その利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的としている(農地法1条)。

は行

媒介

宅地又は建物の売買、交換又は貸借のなかだち(とりもち)を宅建業者に依頼する契約のことをいう。宅地又は建物の売買又は交換等をしようとする場合、自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方を、広い範囲から探し出すことは極めて困難である。そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを専門としている宅建業者に、取引の相手方を探すよう依頼することになる。このときの依頼契約を媒介契約という。宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関する媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、依頼者に交付することが義務づけられている(宅建業法34条の2)。なお、媒介契約は、(1)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができる一般媒介契約(明示型と非明示型がある)、(2)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができない専任媒介契約、(3)依頼者が依頼をした宅建業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない専属専任媒介契約がある。

媒介契約

宅地又は建物の売買、交換又は貸借のなかだち(とりもち)を宅建業者に依頼する契約のことをいう。宅地又は建物の売買又は交換等をしようとする場合、自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方脅、広い範囲から探し出すことば極めて困難である。そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを専門としている宅建業者に、取引の相手方を探すよう依頼することになる。このときの依頼契約を媒介契約という。宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関する媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、依頼者に交付することが義務づけられている(宅建業法34条の2)。なお、媒介契約は、(1)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができる一般媒介契約(明示型と非明示型がある)、(2)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができない専任媒介契約、(3)依頼者が依頼をした宅建業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない専属専任媒介契約がある。

媒介契約の内容の書面化

宅建業者は宅地又は建物の売買又は交換に係る媒介契約を締結したときは、遅滞なく、媒介契約の内容を書面に記載し、記名押印のうえ依頼者に交付しなければならない(宅建業法34条の2)。書面に記載する内容は、(1)当該宅地又は建物を特定するための所在、地番、構造等、(2)当該宅地又は建物の売買すべき価額又は評価額、(3)当該媒介契約が、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約(明示型)又は一般媒介契約(非明示型)のいずれに該当するかの区別、(4)媒介契約の有効期間及び解除に関する事項、(5)指定流通機構への登録の有無、(6)報酬に関する事項、(7)専任媒介契約を締結した依頼者が、他の業者に媒介を依頼して契約を成立させたときの措置、(8)専属専任媒介契約を締結した依頼者が媒介を依頼した業者が探索した相手方以外の者と契約を締結したときの措置、(9)一般媒介契約(明示型)を締結した依頼者が、明示していない業者に媒介の依頼をして契約を締結したときの措置、(10)当該媒介契約が建設大臣(現・国土交通大臣)の定めた標準媒介契約約款であるか否かの別。なお、貸借の媒介については、現在のところ書面の交付が義務づけられていない。また、媒介契約の内容を書面に記載する場合、文章の内容が曖昧では困るので、建設大臣(現・国土交通大臣)の定めた標準媒介契約約款を使用するよう通達が出されている。

媒介報酬(仲介報酬)

媒介の依頼を受けた宅建業者が、依頼者のために奔走して売買等の契約締結を実現した場合、依頼者が宅建業者へ支払う成功報酬をいう。契約が成立しない限り宅建業者は、特別に依頼を受けた広告費用や、あらかじめ依頼者の承諾を得た特別の費用以外に経費・報酬を請求できない点は、通常の委任や準委任の法律関係と異なる。なお、宅建業者は、建設省(現・国土交通省)告示により定められた額を超えて報酬を受け取る‐ことはできない(宅建業法46条2項)。また、国土交通省は媒介報酬の支払の時期については売買等の契約成立時に半額、所有権移転登記等媒介の責任を完了したときに残額を受領するよう指導している。

バスの所要時間

電車・バス等の所要時間

非線引区域

非線引区域とは、市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。

標準媒介契約約款

建設大臣(現・国土交通大臣)が定めた標準的な媒介契約書で、(1)標準専任媒介契約約款、(2)標準専属専任媒介契約約款、(3)標準一般媒介契約約款(明示型)の3種類がある。媒介契約書には、頭書部分の契約書欄には、依頼者、受託者名等、そして、成約に向けての努力義務、違約金等、有効期間、約定報酬額、約定報酬額の受領時期、所有者等、目的物の表示、価額等を記載することとなっている。また、媒介契約約款欄には、媒介契約特有の留意事項が記載されている。宅建業者が依頼者から宅地又は建物の売買又は交換に係る媒介の依頼を受け、了承したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面を依頼者に交付しなければならないが(宅建業法34条の2)、書面に記載する事項が詳細で、かつ、その文章の内容が明確でなけれぱ実際の取引の際役に立たないので、円滑な取引の確保と一般の依頼者の保護の観点から建設大臣が標準媒介契約約款を定め告示(昭和57年建設省告示第1110号)した。その後、業法改正により、専属専任媒介契約制度の創設や専任媒介契約の指定流通機構への登録の義務づけがなされたことにより改訂告示(平成2年建設省告示第115号)され、宅建業者に対し引き続き標準媒介契約約款を使用するよう指導が行われている。
 

ピロティ

1階部分の柱と柱の間に囲まれた吹き抜け空間部分をいう。建基法に関する通達では、周囲の相当部分が壁のような風雨を防ぎ得る構造の区画を欠き、かつ、居住…(中略)…その他の屋内的用途を目的としない「屋外部分とみなされる部分」で、その部分の接する道路又は空地と一体の空間を形成し、かつ、常に人又は車の通行が可能なものは床面積に算入しないものとされている。

PC造

Precast Concretc造の略で、「プレ」は前もって、「キャスト」は鋳型にはめて製造することをいい、工場であらかじめ鉄筋コンクリートパネルを製造し、これを現場で組.み立てて構造体をつくる工法で建てられた構造。コンクリートパネルは工場で製造されるので、現場での工期がいわゆる現場打ちに比べて大幅に短縮できるとともに、狭い現場にも対応できる点が特徴。

風致地区

都市の風致を維持するために指定される地区。風致の維持とは、樹林地、水辺地等の自然的要素に富んだ土地における良好な自然的景観を残そうとするものである。風致地区内における建築物の建築、宅地造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。

不動産公正取引協議会

不当景品類及び不当表示防止法10条の規定に基づき設定し、公正取引委員会の認定を受けた「不動産の表示に関する公正競争規約」を円滑かつ効果的に実施するために設けられた事業者(宅建業者等)又は事業者の団体で構成される協議会のこと。規約の周知徹底、事業者の指導、規約違反の疑いのある事実の調査、規約の規定に違反する事業者に対する措置等を行う。なお、協議会には、広告代理店等の不動産取引に関する表示に関与する者及びこれらの者の団体も賛助者として参加することができる。不動産公正取引協議会は、北海道、東北、'首都圏、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州の各地区に設けられているが、平成14年11月1日に、規約の運営機関として全地区の協議会により構成される不動産公正取引協議会連合会が設立され、会員協議会の事業に関する指導・助言・協力並びに規約の解釈・運用の統一等の業務を行っている。

不動産適正取引推進機構(REITO)

「RETIO」は、RealEstate Trans・action Improvement Organizationの略称。財団法人で、不動産取引をめぐる紛争の防止を図り、また、紛争の処理に当たる機関として、地方公共団体、不動産業界、学識経験者等の支援により、昭和59年4月に設立された。設立以来、紛争事例の収集・分析、地方自治体や業界団体などの不動産相談業務への助言・支援活動、広報・出版活動、紛争案件の処理業務等を進めてきている。また、昭和63年度からは、指定試験機関として宅地建物取引主任者資格試験を実施し、平成2年9月からは、免許・登録事務のOA化に伴い、これら事務処理システムの管理運営を行っている。
所在地は、〒105‐0001東京都港区虎ノ門3-8-21第33森ビル3階。
電話は、03‐3435‐8111。
URLはhttp://www.retio.or.jp

不動産登記簿

登記事項である不動産の現況及ぴ不動産に関する権利関係を公示するため、l個の不動産ごとに設けられる公の帳簿をいい、不動産の所在地を管轄する登記所(法務局)に保管されている。不動産登記簿は、不動産の現状を公示する表題部と権利関係を公示する甲区・乙区の用紙からなっている(不動産登記法16条)。なお、信託原簿等は登記簿とは別途編緩されるが、登記簿の一部とみなされる(同法110条の6)。不動産に関する登記簿は、不動産登記法に基づく土地登記簿・建物登記簿のほか、特別法に基づく立木登記簿(立木ニ関スル法律12条)等がある。

不動産の証券化

不動産の所有者が、流動化する目的で特別目的会社等のビークル(証券発行主体となる器)に所有する不動産を譲渡し、その不動産から生まれる収益(キャッシュフロー)を裏付けとして社債や株式等の有価証券等を発行して投資家から資金調達する仕組みの総称。

不動産の表示に関する公正競争規約

不当景品類及び不当表示防止法10条の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けて、不動産業界が設定した不動産の取引に関する広告その他の表示に関する自主規制基準。同法4条(不当表示の禁止)の解釈基準の一つとして取り扱われる。北海道、東北、首都圏、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州」の9地区に不動産公正取引協議会並びに不動産公正取引協議会連合会が設立されている。

不動産流通機構

指定流通機構

不動産流通近代化センター

財団法人で、国庫助成金と不動産業界各団体や一部金融機関の出掲金の合計30億円を基金として、昭和55年11月に設立された。このセン夕-は、不動産流通の近代化を指導するとともに、出掲に参加した業界団体やその構成員が行う協業化(会館設立等)及び近代化(店舗改装等)に要する資金の融資の保証及び一部の利子補給等を行っている。近代化指導事業としては、価格査定マニュアルの作成及び改善・普及、不動産流通標準情報システムの設計・開発及び改善・保守、指定流通機構の登録物件の調査分析等を行っている・また、宅建業に従事する者の教育研修事業として、実務講習(宅地建物取引主任者資格登録の要件である2年以上の実務経験に代わる実務講習)、指定講習(宅建業法16条3項の規定に基づく指定講習)、初任従業者教育研修制度に基づく研修主催企業の認定及び研修、宅地建物取引主任者が受講を義務づけられている法定講習のテキストの編集・刊行等も行っている。所在地は、〒170-6065東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・32F。電話は、03-3986-0575。

不動産流通標準情報システム

略称は「レインズ」(Real Estate Information Network System=REINS)。不動産流通市場の整備を図るため、流通機構相互間の連携を可能とするために、建設省(現・国土交通省)と(公財)不動産流通近代化センターが共同して設計・開発した不動産情報処理システム。昭和61年にその設計仕様が公表され、流通機構への導入が進められた。標準システムの基本構成は、個々の不動産業者(流通機構の会員)が情報機器を利用して流通機構に物件情報の登録、検索、図面要求等を行い、流通機構から図面情報等の提供を受けるというもの。
 

文化財保護法

文化財を保護し、かつ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的としている。重要文化財(国宝を含みます)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする時は、原則として、文化庁長官の許可を受けなければならない。文化庁長官は、重要文化財(国宝を含みます)の保存のため必要がある時は、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。重要文化財(国宝を含みます)を有償で譲り渡そうとする者は、まず文化庁長官に国に対する売渡しの申出をしなければならず、申出後30日以内に文化庁長官が買取の通知をした時は、予定対価相当額で売買が成立したものとされ、この期間内は当該重要文化財を譲り渡すことはできない。

報酬額の制限

宅建業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理・媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによることとなっている。宅建業者はこの額を超えて報酬を受けてはならない(宅建業法46条2項)。これは購入を希望する消費者が適正な費用で媒介等を受けられるよう保護するものである。国土交通大臣はこの規定を受けて告示(昭和45年10月23日、建設省告示1552号)を定めており、200万円以下の部分が100分の5、200万円を超え400万円以下の部分が100分の4、400万円を超える部分が100分の3である。売買の媒介の場合で、取引額(消費税相当額を含まない)が400万円を超えるときの限度額は、簡易計算法により(取引額×3%+6万円)となる。国土交通大臣が定めた報酬の額は、事務所ごとに見やすいところに掲示しなければならない。(同法46条4項)。

法22条区域

屋根の不燃化等によって延焼を抑えるため、特定行政庁(市町村に建築主事のいる市町村長、いない場合は都道府県知事)が指定した区域のことをいう。

奔走義務

媒介の依頼を受けた業者が依頼者のために契約の相手方を捜すなど、契約の成立に向けて努力する義務のことをいい、ときには契約を成立させる義務まで含む場合もある。一般的には、媒介の依頼を受けた業者に奔走義務はない。しかし、依頼者と専属専任媒介'契約や専任媒介契約を締結した業者は、物件を自社の所属する流通機構に登録する等、依頼者のために成約に向けて積極的に努力する義務を負うとともに、依頼者に対し媒介契約期間中2週間に1回以上(専属専任媒介についでは1週問に1回以上)業務処理状況を報告しなけれぱならないこととなっている。この点業者は一般媒介の場合より加重された義務を負うが、半面、依頼者に対し他業者へ重複して依頼してはならない義務を課すことになり、これに反した場合は違約金を請求できる。

防火地域

市街地における火災の危険を防除するため定める地域地区の一種であり、同区域内では特に厳しい建築制限を定めている。防火地域内においては、階数が3以上であり、又は延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならないとされている。

ま行

マンション管理士

管理組合の運営その他のマンションの管理に関し、マンション管理士の名称を用いて、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者で、マンション管理適正化法30条1項の国土交通大臣の登録を受けた者のこと。マンション管理士の試験は国土交通大臣が指定する者に試験事務を行わせることができることとされており、当該試験機関として(財)マンション管理センターが指定されている。マンション管理士試験に合格し、その登録をしたときは、マンション管理士登録証が交付される。
 

 

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

マンション管理の適正化を推進する措置を講ずることにより、分譲マンションにおける良好な居住環境の確保を図ることを目的として平成13年8月1日に施行された法律。略してマンション管理適正化法ということも多い。本法では、国家資格としてのマンション管理士の資格制度、マンション管理業者の登録制度、マンション管理業者への管理業務主任者の設置義務、マンション管理適正化推進センターの指定等を定めている。

マンションの建替えの円滑化等に関する法律

区分所有者による良好な居住環境を備えたマンションへの建替えが円滑に実施できるよう、平成14年12月18日に施行された法律。略してマンション建替え円滑化法ということも多い。マンション建替事業の主体としての法人格を持ったマンション建替組合の設立、権利変換手続による区分所有権、抵当権等の関係権利の変換、危険又は有害な状況iこあるマンションの建替えの促進のため特別な措置等について定めている。

メゾネットタイプ

マンションの2階建てと考えればわかりやすい。上下2層に分かれた住宅を1戸の住戸として用いる、ヨーロッパタイプの集合住宅の方法で、それぞれに専用の内階段がある。高級なマンションに多く取り入れられており、立体的に居住空間を使える。

元付け

物件の売り、又は買いの依頼を直接受けていることを業者間では元付けという。元付けした業者は元付け業者となるが、元付け業者のことを単に元付けということも多い。

盛土・切土

元の地盤の上に土を盛って宅地を造成した部分を「盛土」部分、元の地盤を削って宅地を造成した部分を「切土」部分という。傾斜地を造成した場合、1つの宅地で「盛土」と「切土」部分が混在する場合も多い。宅地造成等規制法では、宅地造成とは宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更をいい、土地の形質の変更とは、(1)切土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずるもの、(2)盛土をした土地の部分に高さが1mをこえるがけを生ずるもの、(3)切土と盛土を同時にする場合において盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生じ、かつ、当該切土及ぴ盛土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずることとなるもの(4)切土又は盛土をする土地の面積が500m2をこえるものをいうと規定されている(宅地造成等規制法施行令3条)。

や行

屋根

元の地盤の上に土を盛って宅地を造成した部分を「盛土」部分、元の地盤を削って宅地を造成した部分を「切土」部分という。傾斜地を造成した場合、1つの宅地で「盛土」と「切土」部分が混在する場合も多い。宅地造成等規制法では、宅地造成とは宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更をいい、土地の形質の変更とは、(1)切土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずるもの、(2)盛土をした土地の部分に高さが1mをこえるがけを生ずるもの、(3)切土と盛土を同時にする場合において盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生じ、かつ、当該切土及ぴ盛土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずることとなるもの(4)切土又は盛土をする土地の面積が500m2をこえるものをいうと規定されている(宅地造成等規制法施行令3条)。

ユニット工法住宅

住宅の一部分(ユニット)を部屋単位で工場で生産し、現場では工場で生産したユニットを組み立てて住宅を完成させる方式の住宅をいう。プレハブ住宅の一種である。この工法の住宅は現場での工期が短いというメリットもあるが、間取りの変更が困難というデメリットもある。

ユーティリティ

建物内でサービス関係の設備を有する部分。住宅においては、洗濯機・食品貯蔵設備・収納棚等が集中している家事作業の中心部分をいう。主婦室とも呼ばれる。

容積率

前面道路の幅員により、その最高限度が制限されている(表参照/建基法52条1項及び2項)。なお、容積率の算定に当たって延べ面積に参入しないものとして、(1)建築物の地階で住宅の用途に供する一定の部分の床面積(同法52条3項)、(2)共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積(同法52条5項)、(3)自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積(同法施行令2条1項4号)などと定められているほか、幅員6m以上12m未満の前面道路が70m以内で幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する場合は、特定道路までの距離に応じた数値を加えること(同法52条8項)等の特例がある。

用途地域

都市に立地する多種多様な用途の建築物の混在を防ぐことにより、近隣の公害を防除するとともに、それぞれの地域に立地する建築物の機能を十分に発揮させ、各地域に予定された土地利用の内容に従った公共施設の計画的整備を可能にする制度であり、都市の土地利用計画の一つとして、地域地区制度の中核をなすものである。現行の用途地域は、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域及ぴ工業専用地域の12種類であり(都計法8条1項1号)、各用途地域内では、それぞれの目的に応じて建基法の規定により、建築物の用途規制及ぴ形態規制が行われる。

ら行

流通機構

指定流通機構

両手、片手

宅建業者が受け取る手数料収入は宅建業法に基づく報酬であり、売主、買主間で取引が成立し、宅建業者の立会いにより売買契約が締結された後に、宅建業者は売主、買主の双方より報酬をもらえるか、片方からだけもらえるかということ。取引が成立した場合の媒介報酬を、その取引に関与した一つの宅建業者が取引の当事者双方から受け取ることを両手、一方のみから受け取ることを片手という。一つの取引に関与した宅建業者が一つの場合は、当事者双方から報酬を受け取ることが多ぃ。なお、宅建業者が報酬を受け取れるのは、媒介の依頼が前提となることはいうまでもない。

レインズ(REINS)

Real Estate Information NetworkSystemの略。不動産流通機構の近代化方策として建設省(現・国土交通省)が企画した不動産情報ネットワークをいう。不動産に関する情報の規格・構成(広告を作成する際の規格等)等を各業者にすべて任せておいた場合には、それを読む消費者ぱかりでなく他の業者にも、正しい情報が伝わらないおそれもあり、宅建業者間の情報交換が妨げられることとなる。 このため、レインズでは、不動産情報規格の標準化、標準的システムの開発、流通機構間の提携強化、ミニVANの形成などを図り、不動産業者による情報の共有化体制の確立を図ることを目的としている。また、レインズ構想の一環として、建設省(現・国土交通省)と(公財)不動産流通近代化センターとが共同して設計・開発した情報処理システム(レインズ・システムといい、物件情報の規格の統一・通信プロトコル・アプリケーションの標準化に関する規格)がある。

路線価

市街地の道路に沿った土地の毎年1月1日における1m2当たりの評価額占路線価は、宅地の価額が同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに、国税庁が公示価格や売買実例を参考にして.決める。相続税、贈与税及び地価税では、市街地の土地をこの路線価で評価する。この路線価が載つている路線価図には、借地権割合も載っており、国税局や税務署で閲覧することができる。

ロフト

本来の意味は、屋根裏部屋、倉庫などの上階のことであるが、住宅の屋根裏を物置き等に利用するスぺースを指す用語としても定着してきている。一戸建て住宅だけでなく、切妻屋根のマンションの最上階住戸などにも採用されている。

わ行

分かれ

一つの取引における媒介報酬の合計は、依頼のあった取引の当事者双方から支払われた額を加えたものとなるが、それぞれの当事者から依頼を受けた業者が異なるときには、その取引に関与した業者は、それぞれ依頼のあった当事者から受領することとなり、この配分方法を意味する。

私道

一般には私人の土地のみをもって、当該道路に面している土地の利用を目的に築造した道路をいう。土地の寄附又は提供を条件に村道等を築造する場合もあるので、道路法上の道路・公道と明確に区分されてるわけではない・私道には‐、特定の私人により専用的に使用されているものから一般に開放されているものなどその使用形態は種々ある。私道の維持・管理は原則としてその土地の所有者の自由にまかされているが、建基法上の道路とみなされているものについでは、その変更・廃止が制限される(建基法45条)。